ハーメルン
オリ主が再びIS世界でいろいろと頑張る話だけど…side:ASTRAY《本編完結》
PHASE-00 「復讐者が生まれた日」side:ASTRAY
新暦75年、クラナガン南部《次世代エネルギー開発研究所》
「ちくしょう!俺達の要求に飲まないだと!!」
「………俺達をテロリスト?そのような要求に屈しないだと?ふざけるな大東!!」
声を荒げるのは顔をマスクで隠した男達、そのうちひとりがいらだち紛れに近くにある椅子を蹴り飛ばし壁に勢いよくぶつかりけたましい音と共に壊れた。彼等はGspirits隊、綾崎翔真たちとの戦いに敗れた地球蒼生軍の残党。彼らはGspirits隊の追跡から逃れるためにクラナガン南部にある《次世代エネルギー開発研究所》になだれ込み施設を制圧、職員百人余りを人質に取り半日が過ぎていた
次世代エネルギー開発研究所は鉄壁の守りに加え外部と独立したセキュリティーが完備されていた為にまさに要塞と化していたのもありGspirits隊は突入手段をどうするか考えあぐねていた時、彼等…地球蒼生軍の残党は人質解放の条件として捕らえられ投獄されたメンバーの釈放、さらには逃走経路、現、管理局地上本部提督《大東貴一》の即時退陣を要求。もし飲まなければ人質を30分ごとに五人ずつ射殺すると宣言した
しかし、管理局地上本部提督《大東貴一》は『テロリストのいかなる要求には屈しない』と要求を突き放し今に至る…ようやく研究所の見取り図とセキュリティーフレームへアクセスに成功し、突入の準備が整おうとしたとき、悲劇は起こった
研究所の内部LIVE映像がクラナガン中のありとあらゆる報道機関へ流れ、五人の人質がテロリストの前に引き出された。
『大東貴一!我々をテロリストよわばりし要求に屈しないと言ったな…その結果を今から見せてやる!!』
乾いた音が響く…頭を撃ち抜かれ倒れる老人、さらに三回鳴り響いた…三十代前半の女性、十四歳前後の少女、九歳ぐらいの女の子が額を撃ち抜かれ血を辺りに撒き散らし倒れていく…
『あ、ああ……うわあああああああああ!!』
あまりの惨状に最後に残された少年の叫び声が響いた。あばれ回る少年を強引に押さえつけゴリッと銃口が眉間に押し付けられた
『安心しろよ?寂しくないようあとを追わせてやるよ。恨むなら大東貴一、Gspirits隊を恨めよ?さあ死にな…』
引き金に掛けられた指に力が入ろうとした瞬間、犯人の動きが止まる、いや胸を撃ち抜かれ倒れた。それが合図のように扉が開き突入部隊がなだれ込んだ。
射殺された犯人以外はすべて拘束され捕らえられていた人質は解放された
ただ少年だけはふらふらと立ち上がり、射殺された四人に近寄り膝をついた…瞳孔は刻みに震えかすかに言葉が漏れた
「母さん、じいちゃん、ハーティ、ノイン姉さん………う、うう、ハア、ハア、ハア、ハア、ハア、ハア…ッ!?」
血に汚れながら四人の前で過呼吸状態になりながら止め止め無く溢れ出す涙、ついに糸が切れたように倒れそうになった少年を誰かが抱き留めた。突入部隊として参加していたGspirits隊メンバー《スタニック・デュノア》は少年の前に血だまりに倒れた4人を見て否が応でも悟ってしまう
「…………まさか、この四人は…この子の家族…もっと早く突入していれば……医療班、早く来てくれ!!急いでくれ!!」
地球蒼生軍残党による次世代エネルギー開発研究所立てこもり事件…これを最後に徹底したローラー作戦で地球蒼生軍残党は完全に壊滅した
この時、新たな火種が生まれたことをニックはおろか、大東貴一提督はまだ知るよしもなかった
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