おまけ……ランスターさん家のメイドラゴ…龍殺し(笑)
五年前……
「う、あ、痛い…」
最初に感じたのは圧迫感、そして全身の痛みと右上半身、左下半身の感覚の喪失
息も苦しい……血の味がする
なんで、こんな事になったんだっけ?朦朧とする意識から記憶を引っ張り出した
そうだ、ボクはタンドラ師父から許しを得て、対外試合をするために《天瞳流》総本山でシェベルという剣士と仕合う為にルーフェンをでてきてたんだ
でも、道を間違えて歩き回って街もなんか騒がしくて、変な建物がある場所に来ていて、ソレから爆発が起きて…瓦礫に巻き込まれてしまったんだ。耳には剣をぶつけ切り結ぶような音が届く。誰かがいるとわかる
「う、く………う、動かない、右腕が、左脚が…」
ダメだ、右腕と左脚に力が入らない…魔力で身体強化をしようとするけど、全身に行き渡らない…それでもなんとか意識を集中すると動いた
全身が埋まった状態じゃ、瓦礫を吹き飛ばす技は使えない…ならば右腕に魔力を、集中強化して…ボクがいることを伝え、たすけてもらうしかない
(………身体強化を右腕に………一度だけでいい、動いてくれ!)
右腕に魔力が集まる…僅かな隙間から流れ風、雨水を肌で感じながら一気に拳を短い距離で引き、血の味を感じながら叫けぶと同時に真っ直ぐ撃ち抜く
春光拳・覇龍咆哮!!
硬く分厚い瓦礫に拳が深々とめり込む…でもビキリと腕全体が悲鳴を上げる。
ああ、拳が砕けたんだとわかった
曇天広がる空、光る剣、光弾を弾き、刃をいなす《騎士》の姿に安心した時だった
胸から熱い何かがこみ上げ咳き込む…鉄臭い真っ赤な血があふれだした。二人の女性を相手に戦う騎士に助けを乞おうとしたけど距離が離れすぎてる、それに二人は騎士を殺しにかかっている
いま、声を上げれば騎士は二人に殺されて死んでしまう…
「…う、がは……ひゅ、ひゅ」
死にたくない……
「ひゅ………っ、けて……だれ……」
「…ッ!ハアアアッ!」
あきらめた時だった……ボクの耳に裂帛の叫びと刀の震える音が響く、ふわりと身体が軽くなる。血で開かない目を開け見えたのは黒い銀地のコートに幅広の片刃剣をてにした黒い髪を、三つ編みにした人
二人の女の人と戦っていた騎士がボクを助けてくれたと、涙が溢れてきた
「…あ、りがと…う…」
「もう大丈夫だから安心して…ぐあ……く」
でも、ソレはボクの罪になった瞬間だった
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