ハーメルン
インフィニット・ストラトス ~迷い込んだイレギュラー~
第14話 一夏VSセシリア
――――――IS学園第三アリーナ観客席
「ここ、いいかな?」
「あ、ショウ。いいよ」
俺
(
薙原晶
)
は授業が終わった後、第三アリーナに足を運んでいた。
そこでシャルロットを見かけたので、隣に腰を下ろす。
今日は一夏とセシリアの模擬戦が行われる日。
周囲を見渡せば、どうやら今日のイベントの事は、一年生全体に広がっていたみたいだ。
埋まっている観客席の数が、明らかに1組の人数よりも多い。
「どう見る?」
「本人の筋も良いし、出来るだけ教え込んだけど、やっぱり厳しいと思うな。何よりセシリアは本気だよ。一体何を言ったのさ」
「特に何も。ただ侮辱の意味で一夏をぶつけたんじゃなくて、目的があってぶつけたって話したら納得してくれたくらいかな」
「ちなみに目的って?」
「これから先あいつが強敵と戦った時、『あの時に比べれば大した事無い』そう思えるくらいに強力な敵であって欲しいと言っただけだ」
「・・・・・ねぇショウ」
「ん?」
「煽ったね? まだ同じクラスになって一週間しか経ってないけど、セシリアの性格でそんな言葉をかけられたら絶対やる気だすよ」
「だろうな。でも一夏にとってもその方が良いんじゃないかな。慢心した相手と戦うよりも、相手が全力で戦ってくれた方が、得るものは多い」
「それは確かにそうだし、君とボクとの訓練を耐え抜いた今なら瞬殺される事はないだろうけど、でもそれだけだよ。勝てる訳じゃない。何より性能の差が絶望的過ぎる。第三世代と訓練用ISじゃ」
「ギリギリで専用機の白式が間に合った。性能差はある程度何とかなるだろう」
ちなみに白式の方に、俺は一切タッチしていない。
完全に原作通りの性能だ。
「それでも厳しいと思うよ。ショウも一緒に訓練していたから分かるでしょ。一夏の適性は完全にクロスからショートレンジ。対してセシリアはミドルからロングレンジ。下手したら一方的に撃たれて終わりだよ」
「逆に言えば、踏み込んでしまえば一方的にやれる訳だ。そろそろ始まるな」
視線をアリーナに向ければ、丁度一夏が灰色のIS、白式を纏って出てきたところだった。
やはりフォーマットとフィッティングは終わってないか。
そうして始まる模擬戦。
ここで俺は、セシリアの本気の意味を知る。
「ビットと機体の同時制御だと!?」
そう。原作で一夏につかれた弱点。
ビット制御時に機動が止まるという弱点が見当たらない。
クロスレンジでも同じように出来るかどうかまでは分からないが、少なくともミドル、ロングレンジでは完璧にやってのけている。
これは厳しいぞ。
あえてこの弱点を一夏に教えていなくて良かった。
下手に教えていたら、本当に瞬殺されかねなかった。
それほどの猛攻。
あえて敵の視界内に数機のビットを配置。注意を引き寄せ、残りのビットを死角に配置して攻撃。
これだけでも厄介なのに、更にスナイパーライフルで狙撃なんて。
彼女は俺に宣言した通り、自身の弱点をこの短い期間で克服し、全身全霊全力でもって倒しにきた。
だが一夏も負けていない。
ビット攻撃の雨を紙一重で避け、本当に当たってはいけない本命の攻撃は、ブレードで防ぐ。弾く。エネルギーシールドを削らせない。
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