ハーメルン
やはり俺の青春にウルトラマンがいるのはまちがっている
比企谷八幡は手を差し伸べる

side八幡

「こっちだ大志、早く来い。」

放課後、先生と共に駅前のファミレスの窓際の席で今回の依頼人の到着を待った。

SHRが終わると同時に外でスタンバっていた先生のバイクに乗り、最速でここまでやって来た。

その際、由比ヶ浜が凄い目で見て来たけど無視だ無視、奉仕部に気付かれちゃいけないからな。

で、ドリンクバーだけ頼んで待つ事十数分、息を切らした大志が店に入ってくる。

「お、お兄さん!何か分かったんスか!?」

「お兄さん言うな、まぁ大まかな事はな。」

座る事すらせずに用件尋ねるのは、本当に心配なんだろうな。
情報が見付かった程度の呼び出しでも、こんだけ慌ててるなら尚更か?

「君が、川崎大志君、だね?」

「は、はい、お兄さん、この方は・・・?」

そんな大志に、先生が穏やかな笑みを湛えて話しかけていた。

第三者がいるとは思いもしなかったのだろう、大志は狼狽えて俺を見てくる。

やれやれ・・・、肝が小せぇな・・・、俺が敵を連れて来るかよ。

「総武高校の数学教師、織斑一夏だ、よろしくな。」

「えっ・・・!?総武高の先生・・・!?」

先生の自己紹介に、大志は顔面蒼白になりながらも完全に狼狽えていた。

まぁ、総武高の姉貴が深夜に外に出てる事がバレたら停学かそれに準ずる処分は受ける。
そうなりゃ、それこそホントに御先真っ暗だ、それだけは避けたいのだろうな。

「落ち着け大志、先生は俺達の味方だ、今の今まで、お前の姉貴の居場所知ってて隠蔽してたぐらいにな。」

「そ、そうなん、スか・・・?」

「うん、悪い様にはしないさ、彼女から大まかな理由は聞いて来てる。」

信じられない様な目で見る大志に落ち着く様に語りかけ、先生は優しい笑みを浮かべていた。

敵じゃない姿勢を示すには努めて穏やかに笑みを浮かべ、相手の不信感を拭う必要がある。
彼は正に、それを実践していた。

「ね、姉ちゃんが、何をしているのか知ってるんですか・・・!?お、教えて下さい!」

「大志!まずは座れって!目上の人間を見下ろすな!」

焦る気持ちは分かるが、せめて礼儀を弁えろよ。
話はそっからスタートだからな。

「す、すみません・・・、俺・・・。」

自分が無礼な事をしていると気が付いたか、大志は焦りを湛えたまま先生に詫びていた。

よっぽど、姉貴の事が心配なんだな、良いやつだよ、小町さえ狙ってないと分かりゃ話してやっても良いと思えるぐらいにはな。

「気にしてないよ、お姉さんを想う君の気持は・・・、よく分かる。」

なんだ・・・?一瞬言い淀んだよな、この人・・・?
何か思う処でもあるのか、それとも、後ろめたい事でもあるのか・・・?

俺の視線に気付いたか、彼は苦笑しつつ首を横に振り、話始めた。

「君のお姉さん、川崎沙希は俺の嫁さんが経営してるバーで夜勤やってる、確か、4月の真ん中ぐらいからだな。」

なるほど、あの店が絡んでるっていう意味は、そういう事だったのか・・・。
それなら全て辻褄が合う、先生が彼女を庇う理由も・・・。


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