ハーメルン
やはり俺の青春にウルトラマンがいるのはまちがっている
比企谷八幡は戦い続ける
先生の顔を見て落ち着いたのか、彼は自分が何をしていたのかを思い出して飛び起きた。
「お、俺は・・・、俺はなんてことを・・・!!」
彼は頭を抱えて、現実を受け入れたくないと言わんばかりに頭を振った。
まぁ、気持ちは分かるけどね。
幾ら自分の下心に付け込まれただけとは言っても、これだけ派手に暴れればまともな感性をしてる人間なら絶望してもおかしくは無いね。
とは言っても、人を貶める様な事してたんだ、同情はしない。
「俺はただ・・・!アイツと同じぐらい目立って、それで・・・!」
「それで何したかったんだよ。」
混乱して取り乱す大和に、比企谷は突き放すように言い放つ。
関わりが無い奴には冷たいのは、シンパシー感じられるよ。
「別に、本当の友達なら班分け如きでバラバラになっても関わり方なんざ変わらないだろ、それ如きで変わると恐れたのは、お前達が本当の友達じゃないからだ。」
「な、何を・・・。」
「八幡・・・?」
比企谷の言葉に、大和は返答に詰まり、戸塚は心配そうに二人を見ていた。
「俺はボッチだし、そんな肩が凝るやり方なんて認めたかねぇ。」
「お、お前に・・・!俺の何が分かるって言うんだ・・・!?」
いいや、分かってないのはアンタの方さ。
比企谷が、本当に願っていることは、多分・・・。
「俺は、そんなことをしなくても良い、本物が欲しい、最近はそう思える様になったよ。」
心から認め合える存在、それが本物・・・。
あたしも、比企谷とそう在れたらいいのに、なんてね・・・。
「ほん、もの・・・。」
比企谷の言葉が堪えたのか、大和は衝撃を受けた様によろめいた。
そりゃそうだ、偽物とは言わないけど、取り繕って、蹴落としてをやろうとしている奴にとっちゃ、考えに無いことだろうね。
「俺はいつかそれを見付ける、だから、俺はさっきまでのお前を認めない、絶対にだ。」
さっきまで、か・・・。
甘ちゃんだけど、嫌いになれない言い回しだね。
先生も苦笑しながら事の成り行きを見守るだけだけど、きっと分かってるんだ。
比企谷八幡と言う男が、どんな男かを・・・。
「俺も・・・、見付けられるかな・・・?」
それに感化されたのか、大和は震える声で尋ねていた。
たぶん、思う処があったんだろうね・・・。
「さぁな、俺が知る所じゃねぇよ、お前がお前なりに見つけてみやがれ、今やらかした間違いも帳消しにできる、本物をな。」
きっと、この運命に触れたからには見付けられるだろうさ。
自分が本当に求める、本物ってヤツをさ・・・。
あたしも見付けてみようかな・・・。
あたしが本当に欲しいと思える、本物ってやつを、さ・・・。
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