ハーメルン
やはり俺の青春にウルトラマンがいるのはまちがっている
比企谷八幡は二度戦う
side八幡
「待たせたな八幡君、乗ってくれ。」
学校を出て、数分歩いたところにある公園のベンチに座って待っていると、約束の時間ピッタリに、バイクに跨った織斑一夏先生が現れた。
というより、どう呼べばいいんだろうか・・・。
「よろしくお願いします、織斑先生。」
「これから行くとこ、嫁さんいるから織斑呼ばわりは止めてくれ、一夏で良いよ。」
この人、名字で呼ばれ慣れてないんだろうか・・・、少し勘弁してくれと言わんばかりに苦笑していた。
というか、結婚してたんだ・・・。
相手はISヒロインの誰かか?
「そんなリア充みたいな真似、出来ませんよ・・・、普通に先生で良いですか・・・?」
人のファーストネームを出会ってすぐに呼べるなんて、俺にとっちゃ正気の沙汰ではないレベルだ。
ボッチにとって、馴れ馴れしい態度は相手の反感を買いやすいために、なるべく取っちゃいけない。
だから、幾ら先生でもそこは直ぐには変えられない、よな・・・。
「なんだよリア充って・・・、まぁ、それでも良いさ、掴まってな。」
ヘルメットを手渡され、苦笑する先生の腰に腕を回してしっかりと掴まる。
つーか何だよこの人、腹筋メチャクチャ硬いな・・・!
どんだけ鍛えたらこうなれるんだよ、あとで聞いておこう。
そんな事を考えている内に、俺達を乗せたバイクが走り出していた。
エンジンの振動、身体に吹き付ける風が俺に伝わってくる。
自転車とはまた違う感じ方に、ある意味で戸惑っているだけかもしれないけど、気持ちいいな・・・。
「本当はサイドカータイプに乗ってこようと思ったけど、ウチの駐車場は狭いからな、少しでも小回りが利く中型にしといたんだ。」
先生の言葉を聞きながら、俺は道案内に専念する。
「で、八幡君、君の家はどの辺りだ?送ると言った手前、君の家に行く必要がある。」
「あ、二百m先の交差点を右に、そこからは住宅街に入って下さい。」
「了解。」
俺の案内に応じて、先生はすぐにその道を行く。
しっかし、運転上手いなこの人・・・、バイクなんて乗った事ない俺が乗ってても、バランス崩すどころか、巧い事カーブも曲がってるのが分かる。
まぁ、次元は違っても、ISとか乗ってた、あの織斑一夏だしなぁ・・・。
「戦闘機も乗れるぞ、ついでにMSも。」
「心読まないでください、なんですか?読心術も無いとウルトラマン務まらないんですか?」
しかもMSって・・・、ガンダム世界にもいた事有るのかこの人・・・。
流石、世界を渡る人だ、部屋の隅、いや、ベッドの中に居たがる俺とは、文字通り次元が違うな・・・。
「まぁ、どっちも動かすのはそこまで苦労しないさ、それに、ウルトラマンの方が自分の身体を動かす分、鍛えなきゃならない部分も変わってくる。」
「さいで・・・、その時が来たらお願いしますよ。」
軽口で返す間にもバイクは進み、気が付けば見慣れた場所まで来ていた。
「こっから50m行った所の、青い屋根の家です、家の前で待っててください。」
「OK、急がなくていい、俺が誘ったんだ、どっしり構えてろ。」
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