ハーメルン
やはり俺の青春にウルトラマンがいるのはまちがっている
比企谷八幡は二度戦う
そんな事を言ってる内に、バイクが減速して、俺の家の前で止まった。
先生にメットを手渡しし、俺はバイクから降りて玄関へと歩みを進める。
「たでーまー・・・。」
「あっ!お帰りお兄ちゃん!!」
玄関の戸を開けると、リビングからキュートなアホ毛の少女、マイスイートシスター小町が顔を覗かせる。
天使!天使が降りてくる!
いや、違った、天使がこっちを覗いてるだ、間違えてはいけない。
「遅かったねー!ご飯今から作るけど何が良いー?」
「こ・・・、これから外で人と食べてくるから良いよ、着替えてこいって言われたし、待たせるわけにはいかねぇよ。」
危ねぇ・・・、ついうっかり小町って言いかけちまった、仕方無いね、千葉の兄妹は皆そんなもんだよね。
「えっ・・・?」
おい、なんだその信じられない物を見たような目は。
俺が人と飯食いに行く事がそんなに信じられねぇか。
あっ、今までそんな人いませんでしたね、ボッチだもの。
「うぅぅ・・・!遂ににお兄ちゃんが放課後に小町以外の人と遊びに行くなんて・・・!!小町感激ぃ!あっ、今の小町的にポイント高いねっ!!」
「そのポイント制・・・、そろそろやめない?」
感涙の表情から一転、決め顔(というよりドヤ顔)で話す小町にウザ可愛さを覚えつつも、俺は自室に戻ってさっさと服を着替える。
そういや、ドレスコードがあるか聞いときゃ良かったなぁ・・・、まぁ、大丈夫だろうな。
一応ギンガスパークは持って行くとしよう、怪獣が現れた時に変身できませんなんてシャレにもならん。
ジーパンと長袖のシャツに、上着として緑主体のベストを羽織る。
まだ春先だから夜は寒いからな、少し厚着でも大丈夫だろう。
二階の自室から降りてくると、玄関先で先生と小町が何か話し込んでいた。
「ほぇ~、総武高校の先生なんですか~?いつも兄がお世話になってます!」
「いやいや、彼は良い男だ、頼りになるよ。」
「兄には勿体無い言葉です!ありがとうございます!」
うん、流石俺の妹、コミュ力は俺の数百倍は上だぜ!そこに痺れる憧れるぅ!!
いや、別にそうでも無いか。
「先生、行けますよ。」
「おう、じゃあ小町ちゃん、またご縁があれば会おう。」
俺の姿を認めて、先生は小町の手の甲に口づけし、俺にヘルメットを渡してきた。
「んじゃ、ちょっくら行ってくら~。」
「は~い!いってらっしゃ~い!」
ヘルメットを被り、先生のバイクの後ろに跨る。
見送りに来た小町に軽く手を振った直後、俺達を乗せたバイクが走り出す。
「小町と何話してたんですか?」
「自己紹介だけだよ、あんな短い時間で込み入った話なんて出来やしないさ、けど、良い妹さんじゃないか。」
何気なく尋ねると、彼は小町を褒める様な発言をしてくれる。
うむ、兄として妹を褒められるのは悪い気はしないな、寧ろ、誇らしいまである。
「そりゃそうですよ、日本一、いや、世界一可愛い妹ですから。」
「ははは、君は妹が好きなようだな。」
「むしろ愛してるまであります。」
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