ハーメルン
やはり俺の青春にウルトラマンがいるのはまちがっている
比企谷八幡はその女と出会う
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翌日の夜、ショットバー≪アストレイ≫にて・・・。
「うんうん、履歴書見せて貰ったけど、夜勤に入れるって言うのは嬉しいね。」
「あ、ありがとうございます・・・。」
履歴書に書かれた内容に目を通しながら、シャルロットは何処か楽しげに言葉を紡いだ。
彼女の褒めに、目の前にいる若い女性は少し小声で礼を言っていた。
どうやら、褒められる事には慣れていないのだろう。
「それで、大体の雇用条件はその資料にある通りだよ、試用期間は設けてるけど、形式的な物だから気にしないでね、時給は変わらないからさ、料理が得意って事だけど、たまに厨房の方も手伝ってもらえるのはありがたいね。」
「えぇ、私達も助かりますわ、都合の良い日から入っていただけますか?主に夜の志望との事ですが、昼のシフトには入れませんか?」
雇用条件の説明をするシャルロットの言葉に続いて、同席していたセシリアがシフトに付いて尋ねていた。
このバーは、昼間は喫茶店としても営業しており、夜間もそうだが、昼間にも人手が欲しいのは事実であった。
「す、すみません・・・、昼間は、こ、講義が・・・。」
だが、雇用される側にも事情はある程度付き物であり、バイトの身であるなら尚更だ。
講義と言う辺り、学生である事は窺えた。
「・・・?そっか、まぁ、夜だけでも全然大丈夫だよ、まぁ、そこまで安っぽいバーじゃないし、変な輩は入ってこないと思うけど、何かあったら全力で守ってあげるから安心してね。」
苦い顔をする彼女を安心させる様に、シャルロットはウィンクして笑った。
何か裏がある事は感じ取れたが、ここで下手に刺激して折角の人材に逃げられては、自分達の行動にも支障が出る、そう判断したのだろう。
そんなシャルロットの想いを知ってか知らずか、セシリアも鷹揚に頷いて大丈夫だと言う様に笑っていた。
「はい、これからお世話になります。」
「うん、これからよろしくね、川崎沙希ちゃん♪」
その女、川崎沙希は頭を下げて、彼女達の言葉を受け入れたのであった・・・。
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