ハーメルン
やはり俺の青春にウルトラマンがいるのはまちがっている
比企谷八幡はその依頼を受ける
side八幡
屋上で無愛想な女生徒と出会ってからなんだかんだあって十日後・・・。
俺は奉仕部なる、途轍もなく胡散臭い部活に入れられていた。
部員は俺を含めて二名、いや、この前から押しかけてくる喧しい奴もいるから三人、か・・・?
この強制入部は無論、織斑先生の差し金では無い、ウチのクラスの担任である平塚静の陰謀だったのだ。
何でも、俺が提出した高校生活を振り返ってというテーマの作文を犯行声明と受け取り、捻くれ体質と腐った目の更生を目的としての強制入部だ。
俺の意思は関係なしですかそうですか・・・。
自分の時間が潰れるのが癪なので、織斑先生に何とかならないかと相談しに行った際、強制入部の件を初めて知った織斑先生は平塚先生に対してメチャクチャデカい舌打ちしてたな・・・。
あの人、どんだけ平塚先生の事嫌いなんだよ・・・。
まぁ確かに、ウルトラマンや怪獣関連の事や、そのために鍛えるためには束縛が少ない方がありがたいし、彼もそれを望んでいるだろうから、部活動は極力控えて欲しいのだろう。
織斑先生からは退部したかったらすぐに言えと言われたが、当然平塚先生もそれを許容する訳も無い、今や織斑平塚両名の間では毎日凄まじい火花が散っている。
しかしながら、織斑先生の方がキャリアが浅い事から、まだ勝ち得ていない点は多々ある。
だが、織斑先生の異常なまでに高い能力を使えば、すぐにそれも逆転し、学校を掌握する事ぐらいならできるだろうなとは踏んでいる
まぁ、そんな大人たちの事は、当人たちに任せてるんですけどねー・・・。
因にだが、俺は織斑先生とその仲間以外にウルトラマンである事を明かしてはいない。
やはり、怪獣とか言う未知の存在を倒せる力を持ってるんだ、そう易々と公表していいわけがない。
それに言っても誰も信じないだろうしな。
でもって、今俺は特別棟の三階にある奉仕部の部室で、この部の部長である女子生徒と一緒にいた。
「何かしら目が腐り谷君?そんな下卑た目で見ないで頂戴。」
「へーへーすみませんね、この目は生まれつきなんですよ。」
この暴言女は雪ノ下雪乃、二年J組に属する生徒で学年主席の成績を誇る才女だ。
容姿も人形のような可憐さを持っていて、男子からも高嶺の花的な人気を誇る。
だが、致命的に口が悪いのが玉に傷、いや、玉が割れてしまうぐらいの傷になっている。
口を開けば俺に対する罵詈雑言、そして言い返せば自慢と嫌味を兼ね備えた更なる言葉が飛び出してくる。
何処か頭の中の神経がおかしいんじゃねぇかと考えるあたり、やはり俺は捻くれていると思ってしまう。
だが、俺は寧ろこの捻くれ具合が良いと思うまである。
それに、織斑先生はこの捻くれ思考を何とも思わず、ある種の美徳として認めてくれている。
理由を聞けば、捻くれている方がいざって時に生き残り易いからと、軍人根性丸出しな答えを返されて、俺でも少し引いたのを覚えている。
「やっはろー!遅れてごめんね~!!」
そんな事を考えていると、喧しい声を上げながらもピンク髪御団子ヘアーの女子生徒が入って来た。
彼女は由比ヶ浜結衣、俺と同じクラスに属する生徒で、ウチのクラスのトップカーストである葉山のグループに属している。
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