ハーメルン
やはり俺の青春にウルトラマンがいるのはまちがっている
比企谷八幡はその依頼を受ける
コミュ力は高いし、純粋で素直だから友人も多い、更に空気も読める。
一見して、穴の無いいい女に見えるかもしれないが・・・。
ちなみに、葉山とは学年2位の優等生であり、容姿もイケメンのサッカー部の男の名だ。
つまり、リア充であり、俺の敵だ!!
なんで某タンクトップさんの言葉を取ってるんですかね、俺は・・・。
「よぉ、俺より出るの早かったのに遅かったじゃねぇか。」
「あら、視姦は犯罪よ比企谷君、いやらしい眼で由比ヶ浜さんを見てたのね。」
「なぁっ・・・!ヒッキ―の変態!!キモい!!」
「おいこら由比ヶ浜、なんで質問しただけでここまでいわれにゃならんのだ。」
この少女、由比ヶ浜は一言で表すならば、バカという言葉で言い表せた。
人の話は聞かない、人に流される、語彙力は無い、学習しない。
最悪の四拍子が揃ったとも言えるレベルだ。
まだそれならいいが、料理の腕も壊滅的に悪い。
そもそも、彼女がここに来る理由だって、渡したい男へのクッキーを巧く焼きたいから、やり方を教えてくれって依頼からだしな。
苦手な事を一足飛びにやるもんじゃ無いって教えたんだけどな、それが伝わってない様だから悲しくなってくる。
しかもヒッキーって呼び方はなんだ。
リア充はアダ名の一つ付けないと人の事を呼べんのか・・・。
取り合うだけ無駄とタメ息を一つ吐いて、俺は呼んでいたラノベに目を戻した。
こういうのは、関わらないが勝ちだ、黙っていれば余計に口出しされる事もあるまい。
そこから何事も無く、今日も無為な一日を過ごすモノと思っていた時だった、教室のドアがノックされた。
「どうぞ。」
「織斑だ、失礼するよ。」
部長である雪ノ下が入室を許可すると、内面で思ってる事を知らなければ一見人当たりの良さそうな笑みを浮かべた超人、織斑一夏先生が扉を開けて入ってくる。
「あ・・・、え、えと・・・、どうしたんですか織斑先生・・・・?」
彼の登場に、由比ヶ浜の表情が若干強張る。
どうやら、彼女は織斑先生が苦手らしい。
いや、その気持ちはよく分かる。
三日前の昼休みの話なのだが由比ヶ浜は、彼女のグループ内で煉獄の女王と呼ばれる生徒、三浦優美子に奉仕部入りしてから付き合いが悪くなったことを咎められ、半泣きにされかけていた。
生憎その日は雨で、普段は屋上かグランドに面した人通りの少ない場所で飯を食っていた俺も教室にいたんだが、その剣幕たるや、まさに大蛇のごとし、由比ヶ浜はカエルのように縮こまってしまっていた。
しかも不幸な事に、窓際の前から三席目に座っていた俺の真後ろの席でのイザコザだったから、一言助け船でも出そうと思った時だった。
『どうした?喧嘩か?ネチネチ口喧嘩するよりも素手で殴り合え!ただし、ボディオンリーな!!』
喧嘩のにおいにつられてやって来たのか、目を輝かせた織斑先生が、ボクシングの構えを取りながら割って入ったのだ。
教師とは思えない言葉とポーズを見た由比ヶ浜や三浦は勿論、周りで見ていた生徒や、三浦を糾弾しようと割り込みかけてた雪ノ下まで顔を引き攣らせていた。
俺も教師としてどうなのと思ったが、彼のその行為は二人のイザコザを収め、解決に導いていたのだ。
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