ハーメルン
やはり俺の青春にウルトラマンがいるのはまちがっている
比企谷八幡はギンガを知る


「銀河の彼方から来た超人、だからウルトラマンギンガなのさ・・・、彼等は遠い宇宙から、俺達を護りに来てくれたんだ、だから、迷惑掛けないように逃げるぞ。」

だが、一夏も当然そんな事は知っている。
更に、アンノウンのまま放置していると、そのまま敵性因子として攻撃されるやもしれない。

故に、少しずつ印象操作をしていく事により、自然に味方と思い込ませる事が出来るのだ。

それに加え、もし同じ人間から攻撃を受けると、ギンガに変身している八幡は、自分が護っている人間に裏切られた結果になる、そんな苦しみを強いたくは無いのだ。

「ウルトラマン・・・。」

「速く走れ、死にたくないならな、生徒が死んだら責任取らされるこっちの身にもなってくれ。」

呆然とその姿を見詰める雪乃を急かし、一夏は嫌味を言いつつ三人を急かした。

そんな彼等を、いや、総武高校を護るように立ち塞がるギンガは構えを取り、ゴメスへと向かって走り出す。

『シェアッ!!』

土煙を上げながらも走り、ギンガはゴメスに殴り掛かる。

だが、ゴメスは大きく唸り声を上げながらも腕を突き出し、その殴打を受け止める。

それに負けじとギンガは左腕を突き出すが、それすらも掴み、押し倒そうと力を籠める。

『(なんつー力だ・・・!?ベムラーやレッドキングなんて比べモノにならねぇじゃねぇか・・・!!)』

押し込まれる腕を必死に抑えつつ、ギンガの中で八幡は歯噛みした。
ギンガのパワーは確かに強い、だがしかし、単純な腕力はそこまで強くは無いらしい。

『(しくじった・・・!パワー押しでは負けるっ・・!!)』

なんとか腕を引き離すが、既に押し込まれて半ば体制も崩れていた。
そこにゴメスの右脚の蹴りがギンガの腹に叩き込まれる。

『ぐあっ・・・!?』

重さにして数万トンの体重が乗った蹴りをくらい、ギンガは大きく後方へと吹っ飛び、総武高校を飛び越えてその近くにあった雑居ビルに落下、雑居ビルはギンガの重みに耐える事すら出来ずにあっさりと崩れ落ちる。

『ぐっ・・・!(やはり、格闘戦はダメか・・・!?)』

なんとか起き上がろうとする彼の目に、ゴメスが総武高校へ向けて進撃しようとする姿が飛び込んで来た。

恐らく、ギンガを狙って進撃しているだけなのだろうが、生憎、小さな人間には巻き添えを喰らうだけで一貫の終わりだ。

『や、やめろぉぉぉー!!』

今動かねば大勢の人間が自分の目の前で死ぬ事になる、彼の性格からしてそんな事を見過ごせないのだ。

助走をつける事すら惜しんで跳躍し、空中で一回転しながら右脚を突き出して顔面に蹴りを入れる。

ゴメスは仰け反りながらも後退するが、顔を蹴られた事が逆鱗に触れたのだろう、大きく吠えながらギンガへと迫る。

『お前の相手は俺だっ!手ぇ出してんじゃねぇぞ!!』

カウンター気味にハイキックを叩き込むが、ゴメスは怯まずにギンガを尻尾で大きく弾き飛ばした。

『うわぁぁっ・・・!?』

受け身を取る事すらままならず、地面へと叩き付けられたギンガは大きなダメージを受けたか、中々立ち上がれずにいた。

すると追撃のつもりなのか、ゴメスは背びれを光らせ、口から熱線を吐いてギンガを襲う。

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