ハーメルン
やはり俺の青春にウルトラマンがいるのはまちがっている
比企谷八幡はその少年と出会う
「だが?どしたの?」
現状一番の協力者であるのは一夏だと明らかにしつつも、彼は少し表情を顰める。
それに気付いた小町は、どうしたと言わんばかりに尋ねた。
「あの人と俺以外の奉仕部の関係が最悪でなぁ・・・、織斑先生と平塚先生は会う度にガン飛ばしあうし、由比ヶ浜は阿保だし、雪ノ下は口悪いしで居心地も悪い、まぁ、やる事はやるけどな。」
苦笑しながらも話す八幡は、奉仕部入りした後に起こった事を思い返していた。
雪乃からはこれまでの比では無いレベルの暴言を受け、結衣からは常に冤罪紛いの言いがかりを受けているのだ。
その中で、幾ら人の悪意に晒されてきた彼でも、一夏の様に常に彼の為を思って行動してくれている様な人と共にいれば変わってくるもので、浴びせかけられる暴言に苛立つ様になっていた。
それは、一夏の若い頃の様な悪意を全て敵だと見做す様になっているだけかもしれないが・・・。
「お兄ちゃん・・・、なんか口悪くなってない・・・?」
「多分、あの人の影響だな、先生のな・・・、で、そんな世間話しに来たわけじゃないだろ?」
小町に指摘され、その原因に心当たりがある彼は苦笑しながらも、そんな事を言いに来たんじゃないだろと言わんばかりに尋ね返す。
その言葉に、小町はそうだったと言う様な表情をしながらも要件を話し始めた。
「実はさ、小町と同じ塾に通ってる川崎大志君が依頼したいみたいなんだよね~。」
「おい待て、小町に唾着けようなんて謂い度胸してやがる馬の骨は・・・!?」
小町に接触してきたのが男だと分かるや否や、八幡は表情を険しくし、その男について聞き出そうとしていた。
恐るべしシスコン、妹に近付く男は許すまじという考えの下で動いているのだろうか。
「必死過ぎてキモいよお兄ちゃん・・・、心配しなくても、大志君はオトモダチ類オトモダチ科止まりだから♪」
「(つまり男として認識してないと・・・、こいつ・・・。)」
呆れながらも、八幡を安心させるために敢えて酷薄に言い放った小町の言葉に、八幡は僅かな嫌悪感を抱く。
誰からも軽んじられ、認識されない事の辛さを知る八幡だからこそ、認識していないというワードは少々頭にクルらしい。
「で?その大志って奴に会って、依頼を聞いてくれって事か?」
だが、それで一々言及しては話が進まないと考えた八幡は、話の続きを求めた。
「そういう事~!今から連絡するから、良いよね?」
「どうせ拒否権無いしな、良いぜ、聞いてやる。」
断ってもどうせ言いくるめられるか脅されるかして付き合わされるのだから、断らずに最初から従っておいた方が遥かに楽だと断じ、彼はさっさと上着を着て出掛ける準備を整える。
「行くぞ、駅前のファミレスで良いだろ、さっさと呼び出せ。」
「ちょっ!?早いってお兄ちゃん!?」
早く事を済ませたいと言わんばかりの行動の早さに、小町は仰天しながらも連絡と同時進行させながらも兄を追ったのであった・・・。
sideout
side八幡
駅前のファミレスに到着した俺と小町は探しやすいように窓際の席に座り、大志とかいう男の到着を待った。
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