第14話
戦場に広がった謎の光。
それはモビルスーツ等の動きを封じ込み、パイロット達は混乱を隠せない。
けれども光はいつまでも続かず、次第に輝きは失われていく。
アムロのドートレスは辛うじて動けるようになり、目の前のアシュタロンから距離を取りGXの腕を掴んだ。
「どう言う事だ? サイコフレームの光だと言うのか?」
「逃げるのか? 目の前にはアイツが居るんだぞ!! 今なら――」
「フリーデンの状況も危ない。帰る場所が無くなるぞ」
GXを引き連れてドートレスはフリーデンに帰還する。
光は完全に見えなくなり、オルバのアシュタロンもこれ以上深追いはしない。
「チィッ、もう少しでアムロ・レイを仕留められたのに。それにしてもさっきの光……回収したLシステムか……」
ペダルを踏み込みメインスラスターから青白い炎を噴射して加速するアシュタロン。
コンソールパネルを叩きビットモビルスーツを回収した潜水艦へ通信を繋げた。
「こちらはオルバ。艦長、聞こえているのなら今すぐ撤退を」
『ガンダムを手に入れられるかもしれんのに……わかった』
「懸命な判断です。戦力を立て直せばバルチャー共がまた追って来る筈です。こちらもソレに備えましょう」
撤退する中、オルバはシャギアに念波を送る。
後方で待機する彼にも、今回起きた状況はオルバを通して感じていた。
(兄さん、この光はLシステムの?)
(その可能性が高いな。こちらでも僅かではあるが調べが付いた。旧連邦が開発したニュータイプ能力の増幅システムらしい)
(だからって、機体の制御を奪うだなんて)
(幸いにもシステムはこちらの手にある。アイムザット統括官もこの件に付いて興味を示している。ビットモビルスーツと共にこちらへ回収するんだ)
(わかったよ、兄さん)
///
モビルスーツを回収したフリーデン。
パイロット達は全員ブリッジに集まり今回の事をウィッツはジャミルに問う。
しかし、それらの質問に答えるのはシートに座る彼ではなかった。
「アンタに聞いた所でわかるとは思えないが、あの光は何だ? 機体が光に触れた瞬間、操縦が全く効かなくなった。それに、光はフリーデンから出てるようにも見えたぞ?」
「ローレライの幽霊って聞いた事ない? 今回の現象もゴーストの仕業だったり」
「ロアビィ、冗談言ってる場合か。もしも動けなくなったのが俺達だけだったら相手に一方的にやられるんだぞ」
「あら? 流石にこのヤバさは気が付いたか」
「冗談に付き合ってる暇はねぇよ。オイ、ジャミル。アンタなら何か知ってるんじゃないのか?」
言葉には出さなくとも全員が思う疑問。
視線がジャミルに集中するが、1歩前に出たのは彼ではなく隣に立つティファだった。
「この事は私が説明します。良い、ジャミル?」
「ティファ? いや、違うか。ルチルなのか?」
「えぇ、15年ぶりにまた会えた……」
状況に付いて行けないクルーとパイロット達。
ティファの事をルチルと呼ぶジャミルにガロードは思わず声を上げてしまう。
「何言ってるんだよ、ジャミル。そのサングラスを取って良く見てみろ。どこにルチルなんて人が居るんだよ」
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