ハーメルン
機動新世紀ガンダムX アムロの遺産
第2話

アムロの目の前に現れた白い陸戦艇。
警戒はしながらも、ビームライフルの銃口はまだ向けない。
2機のガンダムも戦闘を中止しており、相手の出方を待った。

「このガンダムの母艦か。だが今の時代、連邦軍で陸戦艇を使う所なんて聞いた事がないぞ」

理由はわからないが、地球に降下してから頭の中で疑問が尽きないアムロ。
そうして迷ってる間にも、相手側から外部音声で呼び掛けて来た。

『こちらはフリーデン。艦長のジャミル・ニートだ。そこの白いガンダムタイプのパイロット、応答願う』

「ロンド・ベル隊のアムロ・レイ大尉だ。2機のガンダムはそちらの所属で間違いないな?」

『そうだ。フリーのモビルスーツ乗りを雇って居る状態だがな』

(モビルスーツ乗り? どう言う意味だ?)

『こちらに攻撃の意思はない。出来れば話がしたい。その間に補給くらいはさせて貰う』

考えるが選択肢はなく、地球と宇宙の状況をいち早く知るには誘いに乗る他なかった。

「わかった。ハッチを開けてくれ」

『恩に着る』

開放されるハッチ、2機のガンダムも同じ所から内部へと入る。
アームレイカーに手を添えて機体を歩かせるアムロも同様に艦内へ足を踏み入れるが、その瞬間に何から頭の中を過った。

「なんだ!? この感覚……シャアでもない。カミーユなのか? いや、違う。プレッシャーのようなモノは感じない」

言いながらも内部に入り、ハンガーに機体を固定させた。
ハッチを開放させワイヤーで降下するアムロは、数年ぶりに地球の重力が掛かる地へ足をつける。
宇宙での活動に慣れて居たが、久しぶりの地球でも問題なく歩く事は出来た。
すぐ近くでは、さっきまで戦闘を行って居たガンダムのパイロットが2人、物珍しそうにアムロを見て居る。

「アイツが白い機体のパイロット? なんだジャミルと同じくらいじゃねぇか」

「それよりもさ、なんでノーマルスーツなんで着てるんだ? だってここ地球よ。普通そっちの方が先に来ると思うけどね」

「うるせぇ!! 悪かったな!!」

ウィッツとロアビーの会話を傍から聞いて居ると、スーツを来た女性がアムロの前に現れた。

「アナタがあの機体のパイロットですね。私はオペレーターのサラ・タイレルです。キャプテンの元へご案内します」

「頼む」

「ではこちらへ」

サラの案内に従い、アムロは艦内を進む。
彼女の背中を追いながら通路を歩いて行き、艦内の様子を観察した。
陸戦艇に乗った事のないアムロは、内部の構造を見るだけでも新鮮に感じる。

(だが、若いクルーが多いな。まるで昔の俺達みたいだ)

まだ少年だった頃の自分を思い出すアムロ。
連邦とジオンの戦争に巻き込まれ、ガンダムに乗って戦ったあの時の事を。
正規の連邦兵は殆ど居らず、民間人である自分達が生き残る為にホワイトベースを動かしジオンと戦った。

(もう13年も経つのか。それよりも、どうしてクルーは全員私服なんだ? 本当に連邦の管轄なのかも怪しくなって来たな)

疑いの目を向けながらも口を閉ざしてサラの後ろに付いて行く。
到着した先は陸戦艇のブリッジ。
扉を抜けた先には数名のクルーと黒いサングラスを掛ける男が立って居た。

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