17.顔文字は使い過ぎに注意して楽しく使おう。
「……はい、そうです、受験者の中には…ええ、見当たりませんでした。 ......そうですか、クロロ・ルシルフルは『ハズレ』でしたか。 …ええ、また何か進展があれば連絡します。 ..えっ? 憂さ晴らしにクロロをスイーツ巡りの旅に強制連行した? 折角のお勧めケーキを意地でも食べようとしないので隙を見て口に捻じ込んだ!? はぁ…。師匠、毎度毎度同じ事を言っていますけれどね、そういう事は時と場合と相手を見てやってくださいよ、尻拭いするのは貴女では無くて僕なんですからね?」
特大の溜息と共に通話終了のボタンを押し、俄かに鈍痛を発信し始めた額をぐりぐりと揉み解す。
一体、何をやっているんだあの人は。
たかが一日二日、目を離しただけでこれである。シキ君に監視とさりげない周囲へのフォローを頼んでおいて本当に良かった。 僕が帰るまでに彼が心労で倒れていない事を祈っておこう。 …帰ったら特別ボーナスでも出してあげないといけないな。 “これ以上セフィリアさんの世話をやりたく無いので星の使徒、辞めます” とか言われたら大変だ。
そこまで考えた所で、懐に仕舞ったばかりの携帯がぶるぶると振動を伝えて来た。 何かもう既に嫌な予感しかしないけれど、渋々と画面を見る。 何々、新着メールが二件か。
FROM:クロロ・ルシルフル
今日一日、お前の師匠を名乗る女の所為で散々な目に遭った。 この借りはいずれ必ず返す。 そう女に伝えておけ。
使わされた分のジェニーはお前が立て替えろ、拒否権は無い。 請求書をホームコードに送っておいた。 ついでに、欲しい本が幾つか有ったので買わせて頂いた。 無論、支払いはお前宛だ。
追記:こないだ少し話したと思うが、ウボォーギンがお前の事をノブナガから聞いてえらく興奮していたそうだ。 その内そちらに遊びに行くかもしれない、その時は適当に相手をしてやってくれ。
ウボォーは典型的な強化系バカだが、悪い奴では無いと思う。 …時間に異常に厳しい点を除けばだが。
これはまだ先の話だが、九月にヨークシンでオークションが有るのは知っているか? もし暇なら仕事を手伝ってくれ、人手は幾ら有っても足りるという事は無いからな。
RE:クリード・ディスケンス
大方の事情はその本人から電話で聞いた。 …とりあえず、ご愁傷さまとしか。
只、一つ言わせてもらうなら、君では無くて僕が今日一日付き合わされていたとしたらそんな生易しいモノでは済まなかったよ?
まず、家に帰るまでが遠足です!とか何とか変な理屈を付けてゴネまくられるのは確実だろう。
何を言おうが、絶対に自分の意見を曲げない師匠に面倒になってYesと言ったが最後、晩御飯を作らされて部屋の片付けを命じられた後にTVゲームに気が済むまで付き合わされ、それが終わると、師匠が寝るまで腕枕を強制される。 へとへとになって帰宅してもまだ終わりでは無い。 朝、師匠が起きた時に側にいないと電話とメール攻勢が延々と続くから気を付けろ。 起きた時、万が一でも朝御飯が出来ていないと大変な事になる。 …ちなみに朝はジャポン食一択だ、間違えるな。 …とまあ、そんな所かな。
ウボォーさんの件は了解した。 君の悪い奴では無いという言葉を信じておこう。
こちらでも若干名のメンバーがそちらの女性陣の写真を見て興奮していたので軽く苦言を呈しておいた。 お互いに良い部下を持っているようで何よりだな。
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