ハーメルン
魔法世界興国物語~白き髪のアリア~
第15話「白き髪の2人」

Side アリア

浅い眠りを断続的に続けながら、私は朝を迎えました。
何か、モフモフした物に顔を押しつけつつ、モニャモニャと・・・。


「やはりここは、宣伝方法を・・・」
「しかしそれでは、そもそもの目的が・・・」
「いやいやいや・・・」
「いえいえいえ・・・」


・・・?
どうやら、誰かが何かを話し合っているようです。
まどろみの中から意識を引き上げて、目を開いて顔を上げると、そこには。


カシャッ。


「・・・っ」


急にフラッシュ、え、何ですか、カメラ・・・?
目を擦りながら、そちらを見ると。


「うふふふー、寝顔頂きましたー」


金髪の小柄な女性が、カメラ片手に笑っていました。
・・・えっと、誰でしょう。
ウェスペルタティア政府官庁の制服着てるので、文官の方だとは思いますけど。


「室長ー、寝顔ゲッツです!」
「グッジョブです、ブラボー4」
「ふふ・・・昇給を覚悟しなさい」
「マジですか! ひゃっふぅー!」
「記事タイトルは『戦場に咲く花』・・・バックは苺の花で」
「クルト宰相代理、それでは花が二つになってしまいます」
「おおっと、確かに。いやぁ、絡繰さんには敵いませんねぇ」


ブラボー4って・・・いや、本当に誰ですか。
と言うか、私の寝顔を撮ってどうなると言うのでしょう。
記事にするって、肖像権・・・などと言う物が魔法世界にあるわけも無く。
もし私が憲法を作る機会に恵まれれば、入れようと思います、肖像権。
と言うか、仲良いですねあの二人・・・。


その時、私は『ブリュンヒルデ』の指揮シートの下の床で寝ていたとこに気付きました。
ただ固い床では無く、灰銀色のモフモフした毛皮に覆われていました。
獣臭さを感じない、このモフモフは・・・。


「カムイさん」


鳴きもせず、灰銀色の狼は私の頬に顔を押し付けてきました。
そのまま、スリスリします。くすぐったいです。
・・・何か、どこかからカシャカシャとカメラの音がしますが、まぁ良いです。
その時、田中さんがガショガショ言いながらお盆を持ってきました。


そのお盆の上には紅茶のカップがあって、湯気が立っています。
アーリーモーニングティー、朝の紅茶ですね。


「オスティアンティーデス」
「・・・ありがとう」


カップを手に取る前に、軽く伸びをします。
昨夜は結局、寝室で寝ずに指揮シートを倒して軽く寝ただけです。
まぁ、目が覚めたら床でカムイさんに包まれていたわけですが。
コキンッ、と身体が軋み、あふっ、と息を吐きます。


・・・カメラの音、いい加減うるさいかも。
その後もう一度お礼を言ってから、カップを手に取りました。


「陛下ー、将軍達から通信要請が来てるっスよ」
「ああ、はい。繋いでください」


オルセン大尉の言葉に、そう答えます。
朝の会議と言う奴ですね。
私が指揮シートに座ると、茶々丸さんが熱いおしぼりで私の顔を拭いてくれました。

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