ハーメルン
魔法世界興国物語~白き髪のアリア~
第1話「拳闘士と政治家、あと教師」

Side 真名

背徳と虚栄の都、メガロメセンブリア。
純血の魔法使い市民5000万人を擁し、魔法世界でも「最も進んだ民主政治体制」を備えると豪語する、魔法世界最大の都市。
同時に、魔法世界最大の軍事力を持つ軍事大国でもある。


しかし実態は、メガロメセンブリア元老院が政治・経済・社会に及ぶ広い範囲を支配する独裁国家だ。
加えて、豊富な資金力と強大な軍事力を背景にメセンブリーナ連合加盟国を支配する盟主でもある。


「まぁ、大国と言うのは、どこも同じだな」


こう見えて私は、いろいろな国のいろいろな戦場を見てきた。
その中で、大国の思惑を感じることも何度かあった。
その点では、魔法世界も旧世界と変わらない。


人は生まれ、ただ死んでいく。
その経過に多少の差はあるが、大小の差は無い。


「金さえもらえれば、何でも良いが」


その点、今の私の雇い主は素晴らしい。
無償奉仕だからな、ははは・・・いつか狙撃してやる。
少し前、アリア先生達より一足早く南米のゲートを使って魔法世界に来たは良いが、それからと言う物、こき使われている私だ。
まぁ、命があるだけマシと言えば、それまでだがな。


「お待たせしました」


カフェでそんな考え事をしていたら、時間が知らぬ間に過ぎていたらしい。
私の向かい側の席に、金髪の女性が座った。
一見、黒のスーツを着たキャリアウーマンだが、その動きの一つ一つに洗練された物を感じる。
ここしばらく、私と行動を共にしている新オスティア総督のエージェント。


「ご苦労様、と言った所かな、シャオリー?」
「姫様の労苦を思えば、この程度は」
「姫様ね・・・」


姫様と言うのは、アリア先生のことだ。
こちらに来て、情勢やら何やらを総督・・・クルト・ゲーデルから説明された時、さらりと言われた。
アリア先生は、失われた魔法王国の末裔なのだ、と。
最初に聞いた時は、この総督、妄想癖でもあるんじゃないかと思ったわけだが。


どうも、事実らしい。
・・・秘密の共有で私を縛ると言うのも、なかなか。


「では、行きましょう」
「・・・了解」


気乗りしない返事であることを自覚しながら、私は席を立った。
思わず、空を仰ぎ見る。
不思議なことに、その空は麻帆良と変わらないように思えた。


・・・超。
お前の願いは、叶うのかな。





Side 瀬流彦

こっちの世界と魔法世界を結ぶゲートが、全て破壊された。
一番最初は、ウェールズのゲート。
続いて、世界9箇所の他のゲート。
そして最後に、トルコの魔法協会が管理する中東のゲート・・・。


最後の一つだけ、タイミングがズレた理由はわからない。
けれど、そのおかげでシャークティー先生達は魔法世界に行けた。
連絡、途切れちゃったけどね・・・。


魔法世界との連絡が取れなくなったから、詠春さん(今や日本の代表)やドネットさん(今やメルディアナの校長代理)の呼びかけで、旧世界の魔法関係者が集まって会議をすることになってるらしいけど・・・。

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