ハーメルン
このすば*Elona
第18話 機械仕掛けの紅白玉

 これはキョウヤ達があなたの元に訪れる一週間前、まだベルディアの心と目に微かに希望や光が灯っていた頃の話である。

「倒しても倒しても倒しても倒しても倒しても倒しても倒しても倒しても倒しても倒しても倒しても倒しても倒しても倒しても倒しても倒しても倒しても倒しても倒しても倒しても倒しても倒しても倒しても倒しても倒しても倒しても倒しても倒しても倒しても倒しても倒しても倒しても倒しても倒しても倒しても倒しても倒しても倒しても倒しても倒しても倒しても倒しても倒しても倒しても倒しても倒しても倒しても敵が減らない。終わらない。死ぬ。死んだ。アンデッドなのに死んだ。三回も死んだ」

 首が繋がって装備も手に入った事で遂に始まった終末狩りの初日。
 一時間も経たずに早くも三度死んで三度復活したベルディアは青かった顔を土気色にして部屋の隅でガタガタ震えながら三角座りになっていた。
 この世界のアンデッドも肉体の疲労はせずとも精神は磨耗するらしい。
 生きているのだからそれも当然かと納得し、あなたはシェルターを指差した。

 ベルディア、行け。
 あなたの言葉にベルディアは怯えたようにビクリと震えた。

「…………ご、ご主人。俺は今まで必死こいてドラゴンの群れや巨人達と戦っていたのだ。後世に無限の敵に奇跡の孤軍奮闘、全ての騎士はベルディアの如く在るべしと伝説に謳われて然るべき戦いを繰り広げてきたのだぞ?」

 関係ない。行け。
 傷は癒したしアンデッドに肉体的な疲労は無いと言ったのはベルディアである。終末の中で戦えるように装備もこうして整えた。
 そんなあなたの言葉が本気だと分かったのだろう。元魔王軍幹部のデュラハンはいつかのように形振り構わない行動に出た。

「二度目の作戦ターイム!」

 認める。
 ベルディアは疲労を押し流すような深い溜め息を吐いてこう言った。

「疑っているわけではないが……いや、ハッキリ言って俺はご主人を疑っている。勿論ご主人が俺を圧倒するほどに強いというのは分かっているが、俺をあんな地獄に放り込んでおいてご主人はアレを本当に駆逐出来るのか? ご主人が愛剣と呼ぶあの頭のおかしい剣じゃなくてラグナロクを使うなら他はどんな手を使ってもいい。ちょっと一回俺にお手本を見せてほしいのだが」

 あの程度を駆逐するのは造作も無いとあなたはベルディアを笑う。

「な、何がおかしい!?」

 ベルディアはあなたを自分が出来ない事をペットに強いるような鬼畜だと思っているのだろうか。
 いい機会だとあなたは一度ベルディアに自分の本気を見せる事にした。
 二度とベルディアがおかしな不安を覚えないように。

 そして、数え切れない程の己と敵の屍を越えた果てに手に入る力がどういうものなのかを教える為に。

 装備は愛剣を筆頭にノースティリスで使い続けた本気のそれを解禁する。

「……その剣を見ているから今更防具が全身神器揃いなことに驚きは無いが、武器はラグナロクを使ってくれと言ったぞ」

 神器ではなく神器品質なのだが、今のベルディアに言っても分からない話だろう。
 それにわざわざ言われなくてもあなたは愛剣で戦うつもりはないし攻撃魔法も使うつもりはなかった。
 愛剣は補助魔法の強化に使うために抜いただけである。


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