ハーメルン
このすば*Elona
第6話 クリエイトウォーターの女神様

 あなたはアクセルのギルド内ではエースだの便利屋だのアクセル一のぼっちだの頭がおかしいムッツリスケベだのと呼ばれている。
 最後の一つに全く心当たりが無いのだが、それはそれとしてあなたが受注する依頼は雑用から討伐まで多岐に渡る。
 だが極一部のものを除いて討伐依頼は基本的に受けないようにしている。というかギルド側が受注させてくれない。

 アクセルの冒険者ギルドは初心者冒険者育成のために運営されている意味合いが強く、あなたのような上級職がいつまでも街に居座って受注可能な依頼を片っ端から片付けていくのはギルドの思惑的に大変よろしくないのだ。
 なのであなたは討伐依頼は初心者では確実に死ぬ、あるいはギルドの運営上初心者に任せるのはよろしくないとギルドが判断したものだけを回してもらっている。
 こんなことを続けているので便利屋呼ばわりされている自覚はあるが、依頼を受けるのはあなたのライフワークだし稼ぎもそれなりなので何も問題は無い。

「相席してもよろしいかしらー?」

 そんなあなたがいつも通りにアクセルのギルドで食事を行いながら次に受ける依頼の品定めを行っている最中、それは突然やってきた。
 相席の必要があるほど混んでいただろうかと、疑問に思いつつ顔を上げる。

 瞬間、あなたは危うく吹き出すところだった。それほどまでにありえない相手だったのだ。
 辛うじて我慢した自分をあなたは内心で褒めちぎった。この相手に女神エリスの逆のような行為は流石に不敬が過ぎる。

「ご指名ありがとうございまーす、アクアでーす」

 まるで娼館で聞きそうな台詞を言いながらあなたの目の前に現れたのは、あろうことか女神だった。エリス神に続いてまた女神だ。
 女神のように美しい女性という意味ではない。
 確かに人間離れした美貌を持つ少女ではあったが、正真正銘本物の女神がそこにいた。

 女神に何故地上に降臨したとはあえて問うまい。
 エリス神と同様、天上に住まう神々の思惑など所詮は定命の存在に過ぎないあなたに図れるはずも無いのだから。

 しかしそれにしたって何故こんな辺境とも呼べる地に女神が、それも二柱も降臨しているのか。
 アクセルの街はいよいよ魔窟と化してきた感がある。類は友を呼ぶというし、あなたにはこれからもキワモノが増え続けていく予感しかしなかった。ちなみに類がウィズである。
 そもそもこの女神は何者なのか。名前を名乗っていたようだがあなたは驚愕のあまり聞きそびれてしまっていた。聞き直すのはまずいだろう。どうするべきか。

「ねえあなた、こういうお店で遊ぶのって初めて?」

 女神が珍妙な動きでしなを作り、あなたに寄りかかってきた。
 お店も何もと言おうとして、あなたはここがギルドであると同時に酒場だったことを思い出した。
 あなたはギルド所属の冒険者、つまり常連である。

「あらあら、お盛んなことねー? ……ふふふ、若いわね?」

 確かにあなたの年齢は女神と比較すれば赤ん坊にも等しいだろう。
 あなたはポーションで年齢を保っているので実年齢と外見年齢には大きな差があるが、それも神の前では誤差の範囲だ。
 しかし女神は何の目的があってあなたに接触してきたのか。あなたは思わず表情を硬くした。

「ふふっ、そんなに緊張しなくてもいいのよ?」

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