第8話 女神のパンティおくれー!(物理)
その増えるであろう友人の中に女神エリスの下着を盗んだ相手がいるわけだが本人的にそれは構わないのだろうか。
だがあなたはあえて何も言わなかった。今も懐にある白い布の存在を思い出したわけでは無い。
「というわけで、今回はキミがあたしと一緒にどう? 仲直りの印ってわけじゃないけど」
あなたはその提案に快諾した。
様々な理由で組みたくない女神アクアならともかく、女神エリスの誘いでかつ一時的なものであれば否やは無い。
それにあなたは友人を大切に思う者が嫌いではなかった。
「うん、よろしくね。サポートは存分に任せてもらっていいから」
あなたは笑顔とともに差し出された女神エリスの右手を握り返す。
かくして、ここに異世界人の魔法戦士と女神の盗賊という異色のコンビが結成された。
「今年のキャベツは活きがいいんだって。アクセルのエースさんのお手並み拝見だね」
あとはこの場にリッチーの魔法使いがいれば完璧だっただろう。
パーティーのバランス的にも、三者とも周囲に己の素性を偽っているという意味でも。
「さあ――キャベツの収穫、いってみよう!」
あなた達がこれより相対するのは飛来する雲霞の如きキャベツの群れ。
この世界のキャベツは収穫時期になると飛ぶのだ。
野菜が勝手に飛行するなどどうかしている。原理を真面目に考えると狂気度が上がりそうだ。
にもかかわらず女神エリスや周囲の冒険者達は当たり前といった顔でキャベツの話をしている。
あなたは人知れず溜息をついて女神エリスと共にアクセルの正門に向かうのだった。
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