ハーメルン
俺の夢にはISが必要だ!~目指せISゲットで漢のロマンと理想の老後~
夢の為に身売りしました。
拝啓、父さん母さん、息子は現在、年下の女の子に首輪を付けられ動物扱いされてます。俺何か悪い事しましたかね? 夢の為とはいえちょっと泣きそうです……アハハハ。
「おい神一郎、大丈夫か?」
ちょっと現実逃避していたら千冬さんが心配してくれた。
「大丈夫です。えぇ、これぐらいで夢を諦める訳にはいかないんですよ。例え飼い主が子供に首輪を付ける変態でもです」
「夢の為に変態に身売りか、見事な覚悟だ」
「束さんを変態扱いしたまま話を進めないでくれるかな?」
「「黙れ変態」」
「ちょっ! 二人して酷いよ!」
俺と千冬さんの返事に束さんがブー垂れてるが気にしない。
「所で束さん、大事な話がまだ終わってないですよ?」
「ほえ? なんかあったっけ?」
「実験動物の期間とか、ISを譲ってくれる時期とか、その辺をはっきりさせましょう」
ほえ? じゃねーよ。この人、契約とか約定とか言葉知らなそうだもんな。その辺決めとかないと、一生飼い殺しか、飽きたら解剖とかになりそうだ。
「期間ね~、束さんが飽きるまで、じゃダメかな?」
「あははダメに決まってるじゃないですか」
こいつ本気で油断できねぇ。
「束さんはいつかこの家を出ますよね?」
「ん? そーだね。いつかは出て行くよ」
「それでは、その日にしませんか? 束さんがこの家を出て行くその日が契約終了の日、でどうでしょう? ISもその時に戴きます」
時期的には約三年後、妥当な所だろう。
「君は束さんが居なくなる日を知ってるね?」
「そうですね。私が話してもタイミングは変わらないと思うので言いますが、数年後です」
「その辺詳しく聞きたいなぁ~」
「未来の事はそうそう話す気はありませんからね?」
「え~なんで~?」
「それはですね、仮に、仮にですよ? 俺が千冬さんの、将来の旦那さんの名前を知ってたらどうします?」
「あ? ちーちゃんに付く虫なんてぶっ殺だよ! 自白剤使ってでも聞き出すよ!」
だよね。知ってた。
「そんな訳で千冬さん、束さんが無理矢理未来の事を聞き出そうとしたら、その時はお願いします。下手したら誰かの人生が終わります」
「まかせろ。その時は私が止める」
本当に頼りになるなこの人。凄い漢らしい。
「あ?」
「なんでもありません」
そして勘の良さが凄い怖い。
「では、束さんがこの家にいる間は、実験動物します。ですが、命に関わるような実験は禁止、転生や未来の事は話せることは話しますが、他の人の人生に影響が出そうな事などは話せません。対価のISは後払いで。以上の約束を破った場合、千冬さんの制裁。よろしいですね?」
「ちーちゃんの制裁は怖いからね。それでオッケーだよ」
「束のストッパー役はかまわん。いつもの事だ。しかしいいのか? 数年もこいつに付き合うのはキツいぞ?」
「他にもお願いがありまして、そっちは時間掛かりそうなんで――束さん、等価交換についてもう少し話したいんですが?」
「まだ何かあるのか?」
「えぇ、対価が払えれば、お願い聞いてくれるんですよね?」
「払えればね」
「“ISの欠陥について”なんてのはどうでょう?」
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