ハーメルン
俺の夢にはISが必要だ!~目指せISゲットで漢のロマンと理想の老後~
箒の妹力は53万
束さんとの契約から数日たった。さっそく実験台にされると思ったが、白騎士の開発が目前らしく、今はそちらに力を入れたいらしい。なので現在、道場に通いながら箒に近付くタイミングを見ているのだが。
「一夏、大人しくしていろ」
「だから箒、痛いってば! もう少し優しくしてくれ!」
モッピーは今だ“頭拭いてあげる攻撃”を繰り返していた。年齢を考えればアレが最大限のアピールなんだろうな。だが、それぐらいじゃ駄目なんだよ。
「箒、ちょっといいかな?」
一夏の頭を拭き終わり、満足げにしている箒を手招きする。
「神一郎さん? なんですか?」
「いきなりだけど、箒は一夏の事好きなんだよね?」
「な、なにを突然!?」
「実はね、束さんに箒の恋を応援してくれって頼まれたんだよ」
「姉さんに? 神一郎さん、姉さんと仲良くなれたのですか?」
「この前話した時にちょっとあってね。それから仲良くさせてもらってるよ」
実験動物としてね。
「凄いですね。たった一日で姉さんと話せる様になるとは」
「自分でも驚いてるよ」
「気持ちは嬉しいですが、一夏が好きなんて誤解です。私が一夏のことが好きなんて事ありません」
ほう?
「そうなんだ、実は知り合いの子に一夏の事を紹介して欲しいと頼まれてたんだけど、箒に悪いと思って断ったんだよね。でも、箒にその気がないなら……いいかな?」
「べ、別に一夏が誰と付き合おうが、私には関係ない!」
「箒、頼むからそんな泣きそうな顔しないでよ。今のは冗談だから」
口調とは裏腹に泣きそうな顔をする箒。
モッピーとか言ってごめんね。そうだよね。箒には大切な初恋だもんね?
うん、流石に小学生を泣かすのは罪悪感が半端ないな。
「でもね、箒も学校とかで知ってると思うけど、一夏がモテるのは本当なんだよ? 箒は一夏が別の女の子の所に行ってもいいの?」
「それはいやだ……」
「だからね箒、箒が一夏と付き合えるように、俺にお手伝いをさせてくれないかな?」
「でも良いんですか? いくら姉さんの頼みとは言え……」
「束さんから頼まれたって理由もあるけど、俺自身が箒を手伝いたい気持ちもあるんだよ?」
「そうなんですか?」
「うん、箒の一夏に対するアピール見てたからね。応援したくなっちゃった」
これは本当。横から見てる身からすれば、箒の健気さは応援したくなる。
「その……そう言って貰えるのは嬉しいです。誰にも相談出来なかったので……」
同門で歳上の俺だから一夏への気持ちを話してくれたが、箒は気難しい性格だ、学校の女の子などはライバルだろうし、姉はアッパパーだし、本当は誰かに相談したかったんだろうな。
「箒、さっそくだけど、俺の案を一つ聞いてくれないかな?」
◇◇ ◇◇
「ここが神一郎さんの家か」
「今日は誰も居ないからゆっくりしてってくれ」
「お邪魔します」
「ほら、箒も入って」
「おじゃまします……」
顔を赤らめてうつむく箒を先に促す。
現在、箒と一夏を自宅に招き、箒と一夏をくっつけよう作戦を実行中である。作戦内容はすでに箒に話している。そのせいで箒がだいぶ緊張しているようだ。頼むからテンパって一夏を殴ったりしないでくれよ。
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