第1話 俺の彼女がこんなにも可愛くて生きるのがつらい。
朝。
暖かな日差しが大地を照らす中、
「zzzzz」
工藤エレンは静かに寝息を立てていた。
「エレン、おいエレン。」
そんなエレンに声をかける影があった。
その人物は呆れたようにつぶやく
「ったく、しょうがないな・・・よし。」
エレンが自身にかかった重みに気づき静かに目を開けると。
「・・・何やってんだ、陽子。」
「おはよう、エレン。」
茶発のショートヘアーに可愛らしい八重歯が特徴の学校の制服を着た少女、猪熊陽子がエレンに馬乗りになっていた。
陽子が上から降りるとエレンは周りを見渡す。
部屋の窓が開いていた。
「お前また窓から入ってきたのか?」
「だって隣同士だしこのほうが早いだろ?」
「窓から入ってくんのはアニメの中の幼なじみだけで十分だっての。
ていうか人の上に乗って何するつもりだったんだよ。」
「え?いやその・・・////」
陽子が少し恥ずかしそうに言う。
「エレンなかなか起きないから。
チューしたら起きるかなぁって////」
陽子がそういうとエレンは再び横になった。
「あ^〜急に睡魔に襲われたんじゃ^~」
「現金な奴だなオイ!
だ・・・大体そういうのは男の方からやるもんだろ?////」
「そうか?じゃあお言葉に甘えて。」
「うわ!」
エレンは陽子の腕をつかむと布団に引きずり込んで横倒しにする。
そして、優しく口づけをする。
「ん////」
陽子の口から声が漏れる。
そしてエレンは陽子を見つめていう。
「おはよ、陽子」
「うん、おはよう、エレン。」
そんな会話をしていると。
「2人とも、朝っぱらから何イチャついてんの。」
部屋の入口の方から声がした
「え・・・。」
陽子が声の方向を見ると竹刀を持った金髪ポニーテイルの少女が呆れたようにこちらを見ながらそう言った。
「うわぁぁぁぁぁ!ま・・・マリーいつからそこにいた!」
陽子が布団から慌てて飛び出して言う。
「陽子姉(ねぇ)が布団に引きずり込まれたところから。」
「空気読めよマリー俺は今から陽子と朝の運動(意味深)をだなぁ。」
「しねぇよ!そう言うのは高校卒業してからって約束だろ!」
「わたしは一向にかまわんッッ!」
「かまえよ!」
そんなやりとりにマリーが溜息を吐いて言う。
「はいはい、朝からご馳走様です。
それより陽子姉、また窓から入ったでしょ。」
「てへ☆。」
「いや、てへ☆じゃなくて。
なんで玄関から入ってこないの?」
「ええ、だって窓から入った方が近いしさぁ。」
そういいながら陽子は手に持った外ばきをひらひらと揺らす。
「そんな理由で不法侵入してこないでよ。
アニキもなんで窓の鍵開けっぱにしてんの。」
「ほら、ペット飼ってる家でたまについてる犬猫用の入口あるだろ?
[1]次 最初 最後 [5]目次 [3]栞
現在:1/8
[6]トップ/[8]マイページ
小説検索/ランキング
利用規約/FAQ/運営情報
取扱説明書/プライバシーポリシー
※下部メニューはPC版へのリンク