ハーメルン
魔法科高校の幻想紡義 -旧-
第3話 最初の交叉

その日の放課後、司波達也(しばたつや)司波深雪(しばみゆき)の兄妹は困惑した表情で目の前で進行している口論を眺めていた。

「ですから、深雪さんはお兄さんと一緒に帰るって言っているんです。話があるんでしたら一緒に帰ったらいいでしょう! 何の権利があって二人の仲を引き裂こうとするんですか!?」

激昂した様子で啖呵を切ったのは、達也のクラスメイトで柴田美月(しばたみづき)だ。

昨日今日の付き合いだが、普段の大人しい性格を見ていただけに、真っ先に一科生に食ってかかったことに達也は意外感を禁じ得なかった。

「引き裂くと言われてもなぁ」

「み、美月は何を勘違いしているのでしょう?」

「深雪、なぜお前が焦る?」

当事者でありながら傍観者の立場にいる二人も混乱気味であるが、場は更に混乱しつつあった。

「僕たちは彼女に相談があるんだ! ……あと、言っておくけど引き裂くつもりなんて無いからな!」

「そうよ! 司波さんには悪いけど、少しだけ時間を貸してもらうだけなんだから!」

そう反論するのはA組の男子生徒その一と女子生徒その一。

なぜか男子生徒その一が「引き裂く」ことを強調して否定したが、冷静だった達也以外はヒートアップ、一名のみはそれで更にトリップしていたので怪訝に思う者はいなかった。

あと小声で「雅季を敵に回すわけにはいかない……」と悲壮な声で呟いていたが、それもまた誰の耳にも入ることはなかった。

「ハ、相談だったら自活中にやれよ。ちゃんと時間を取ってあるだろうが」

「深雪の都合も考えたら? 相手の都合も考えずに相談だなんて、まずは相手の同意を取ってからがルールでしょ。そんなことも知らないの?」

相手を挑発するような態度で言い放ったのは美月と同じく達也のクラスメイト、西城(さいじょう)レオンハルトと千葉(ちば)エリカ。

A組とE組、一科生と二科生。

両者の間で一触即発の空気が流れる。

あくまで当事者である達也と深雪を置いてけぼりにして。



最初の衝突は昼休み。

早めに食堂に来られた達也たちが昼食を取っているところへ、A組の男子女子に囲まれた深雪がやって来た。

深雪は達也たちと共に食べるつもりだったのだが、

「奴は……いないな、よし! 司波さん、親睦を深めるためにもA組同士で一緒に食べませんか!」

男子生徒その一が周囲を確認した後、深雪を昼食に誘った。

それを切っ掛けに、A組のクラスメイトから次々と誘われる深雪。

だが深雪がそれを断り続けると、次第に矛先が一科生と二科生の違いへと向かい、しまいには一部が「ウィードは席を空けろ」などと言い出す始末。

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