ハーメルン
魔法科高校の幻想紡義 -旧-
第7話 昼休みの談笑

「どうですかね、ミスター呉智。なかなか美味なものでしょう。ここは私のお勧めの一つでしてね」

「……悪くはない」

「おや、そうですか。いやはや申し訳ない、次はもっと良いお店に致しましょう」

「気を悪くしないでほしい。私はあまり味がわかる人間ではないのでね」

交わされる会話こそ友好的なものだが、互いの視線には友好的な感情など感じられない。

それもそのはず、両者は『商談』でここにいるのだ。それも、決して表沙汰には出せない取引の類だ。

「早速だが商談に入らせてもらおうか、ダグラス=(ウォン)

無表情のまま淡々と進める水無瀬呉智(みなせくれとし)

「そうですか。ではラグナレック・カンパニーは無頭竜に何を望むのか、商談といきましょう。ミスター呉智」

対照的に笑顔を絶やさないまま話を伺うダグラス=黄。

この部屋にいる人物は四人。

ラグナレック側は水無瀬呉智ただ一人。

無頭竜側はテーブルに座るダグラスの背後に二人、護衛として佇んでいる。

「腹の探り合いで時間を掛けたくない、単刀直入に言わせてもらおう。――こちらの要求は『兵器』だ」

「ほう」

瞬間、ダグラスの目に鋭い光が奔り、口元は歪んだまま突き刺すような視線で呉智を貫いた。

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