ハーメルン
どうしてこうなった? 異伝編
NARUTO 第九話

「なぜ私は口寄せが、時空間忍術が出来ないのか……」

 アカネは修行を終えてすぐにそう述べた。

 あの後、ナルトは口寄せの術に成功してからチャクラの使いすぎで気絶し病院に入院した。だがすぐに退院し、約束していた通りアカネと二人で柔拳に対抗する修行を積んでいた。
 そしてアカネはナルトに一通りの修行をつけた後、こっそりと未だ諦めきれていない口寄せの修行を一人でしていた。もちろん結界を張って周囲にばれない様にしてだ。
 だがまあ何十年も上手く行ってない物がいきなり出来るわけもなく、結局いつもの様にミクロなカツユを口寄せするだけに終わっていた。

 さて、修行を終えて家に戻り一休みしたアカネは今日が中忍試験の本戦だと思いだし、試験会場に向けて白眼を発動した。これでここからでも試合を見る事が可能である。白眼様々であった。
 ある程度の試合を見てアカネは満足そうに頷いた。下忍故にまだまだ未熟だが、注目すべき戦いは幾つかあった。まずはナルトとネジの試合だろう。
 二人の勝負はやはりというべきかネジが優位に立って進めていたが、土壇場になってナルトが爆発的な底力を発揮して最後にはネジを叩き伏せていた。
 これにはアカネも驚いていた。ナルトを鍛えたアカネだったが、それでもナルトの勝率は一割にも満たないと思っていたからだ。
 九尾の人柱力だからという理由ではなく、ナルトの諦めない根性と気合が生んだ勝利だろう。これはアカネも素直に称賛していた。

 もう一つ、木ノ葉の奈良一族の少年と砂隠れのくノ一との試合もかなり見応えがあった。
 純粋な戦闘力では砂隠れのくノ一が圧倒していただろう。風遁を利用したり奈良一族の影縛りの術――若い忍は影真似の術と呼ぶ――の効果や範囲を見切り戦術を組み立てていた。戦闘力だけでなく頭も切れるようだ。
 だが奈良一族の少年の頭脳はその更に上にあった。力量の低さを手持ちの武器と頭脳を駆使して覆したのだ。この試合に期待していなかった多くの観客も引き込まれる程見事な戦法と言えた。
 最後には自身のチャクラ切れを見越してさっさとギブアップをしてしまったが、頭脳に見合う実力とチャクラを手に入れたらと思うと将来が楽しみな逸材である。恐らく今回中忍試験を受けたどの下忍よりも隊長に向いているだろう。

 そして第三試験一回戦最後の試合。これが始まりの合図となった。そう、大蛇丸による木ノ葉崩しの始まりである。
 その試合はうちは一族の期待の少年うちはサスケと砂隠れの我愛羅という忍の闘いであった。
 そしてアカネは我愛羅を見た瞬間にある事実に気付いた。

(砂隠れの人柱力か!)

 アカネは我愛羅の中に我愛羅以外のチャクラを感じ取り、そしてその正体に気付いたのだ。この禍々しくも強大なチャクラ。完全に尾獣のそれであった。
 我愛羅の中には一尾という尾獣の一体が封印されていた。一尾は昔から砂隠れが所有していた尾獣だ。砂隠れの忍である我愛羅が一尾の人柱力なのもおかしな話ではない。
 そして人柱力が中忍試験を受ける事も珍しくはあれどあり得ない話ではない。実際ナルトも同じ様に試験を受けている。
 だが人柱力には常に暴走の危険性が伴っている。尾獣と完全に共生できる人柱力など忍の歴史でも稀なのだ。
 この試験で暴走の可能性も有り得る。そう判断したアカネは取り敢えずどうなっても対処しやすい様に試験会場へと移動を始めた。

[9]前話 [1]次 最初 最後 [5]目次 [3]栞
現在:1/9

[6]トップ/[8]マイページ
小説検索/ランキング
利用規約/FAQ/運営情報
取扱説明書/プライバシーポリシー
※下部メニューはPC版へのリンク
携帯アクセス解析