BLEACH 第四十二話
クアルソ・ソーンブラとユーハバッハ。実力の底を引き出した両者の戦いは更に加速し、そして激化していった。
「はっ!」
「むん!」
クアルソが今までとは比べ物にならない速度でユーハバッハに接近する。だがユーハバッハはその速度に反応し、霊力の剣を横薙ぎに振るってクアルソを斬り裂かんとする。
その一撃を沈み込みながら回避したクアルソは、沈み込んだままにユーハバッハの足に向けて弧を描く蹴りを放つ。しゃがみ込んでの足払いみたいなものだが、その威力は足払いの比ではなく、ユーハバッハの足を砕きかねない程の威力が籠められていた。
その足払いをユーハバッハは僅かに跳躍する事で躱し、そして霊子を固めて足場とする事で宙を踏み締め、再びクアルソへ剣を振り下ろす。
しゃがみ込んでいたクアルソは跳ね起きながら振り下ろされる剣を避ける。そしてその勢いを利用して宙に立つユーハバッハに手刀を繰り出した。
「ふっ!」
だがその手刀はユーハバッハの外殻静脈血装によって阻まれる。クアルソの手刀は体外に放出された静血装を貫いていくが、やはりその威力、勢いは激減していた。
威力と勢いが削がれた手刀など避けるにすら値せず、ユーハバッハはクアルソの腕を容易く掴み取った。
「私に触れたな?」
クアルソの腕を掴んだユーハバッハは外殻静脈血装による侵食を行った。
外殻静脈血装はユーハバッハの体に触れる全てを侵食して静血装を拡大する力を持っている。それによりクアルソの肉体と力を奪おうとしているのだ。
だが、ユーハバッハが想像した未来は訪れなかった。
「っ!?」
「オレに触れたな?」
いつまで経っても外殻静脈血装がクアルソを侵食する事はなかった。侵食が跳ね除けられたのではない。侵食自体が始まらなかったのだ。
外殻静脈血装の侵食効果はクアルソのボス属性によって無効化されたのである。
そして、クアルソの腕を掴んだユーハバッハは、腕から手を離すまでの一瞬の内に技を仕掛けられた。
「ぐはっ!」
クアルソの腕を掴んでいたユーハバッハが地に叩き伏せられていた。クアルソが合気柔術によって力の流れを操作しユーハバッハの体勢を崩し、霊王宮の床に投げつけたのだ。
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