ハーメルン
どうしてこうなった? 異伝編
NARUTO 第十話

 三代目の目の前には懐かしい顔ぶれが揃っていた。
 【初】と書かれた棺からは初代火影・千手柱間が、【二】と書かれた棺からは二代目火影・千手扉間が、そして最後の【日】と書かれた棺からは……日向ヒヨリがそれぞれ姿を現していた。

「ま……! まさか! あの方々は……!?」
「あの方々……?」

 結界の外でそれを見た暗部の一人は口寄せされた者の正体に気付いた。
 もう一人はどうやら先代火影とヒヨリの姿を知らない様だ。恐らく若い暗部なのだろう。

「久しぶりよのォサル……」
「ほぉ……お前か。歳を取ったな猿飛」

 二代目が三代目に気付き、そして初代も目の前の老忍がかつての記憶よりも歳を取った猿飛ヒルゼンだと気付く。
 二人に死亡した時から今日までの記憶は当然ない。死者に記憶などないからだ。言うなれば未来にタイムスリップして来たような感覚と言った所だろうか。

「まさかこのようなことで御兄弟お二人と、そしてヒヨリ様に再びお会いしようとは……ん?」

 衝撃的な再会に驚き、その再会がこの様な形で成された事を残念に思っていた三代目だったが、穢土転生の最後の一人である日向ヒヨリの様子が可笑しい事に気付く。
 ヒヨリの姿を模っていた塵芥(ちりあくた)は形成された瞬間からすぐに崩れ落ちていき、最後に穢土転生に必要な生贄が中から倒れ出てきたのだ。

「これは……!?」
「どういう事なの……!?」

 何故ヒヨリの穢土転生だけ崩れ落ちたのか。それは三代目はもちろん、術者である大蛇丸でさえ理解出来なかった。
 術の失敗はなかったはず。死者である日向ヒヨリは確実に浄土から口寄せされたはずだ。だが、事実日向ヒヨリの穢土転生は失敗している。
 穢土転生に必要な死者の一部も、生贄も、術式も完璧だった。なのに何故? 何故日向ヒヨリだけ穢土転生が成功しなかったのか? そんな疑問が大蛇丸の中を巡る。

「穢土転生が失敗した? ヒヨリの奴め、まだ生きているのか?」
「ガハハハハ! ヒヨリがそう容易く死ぬはずあるまい! そう言えば、猿飛がそれだけ歳を取っておるということはヒヨリも相当な年寄りになっているのだろう? 見てみたいものぞ!」

 日向ヒヨリが生きている。それならば確かに穢土転生は失敗するだろう。穢土転生は死者を呼び出す術なのだから当然の話だ。
 だが三代目はそれはあり得ないと言う事を確信している。

「そんなはずは……ヒヨリ様は確かに十五年前の戦争中に現れた三尾を食い止めた時の傷がもとで亡くなられたはず……!」

 日向ヒヨリの穢土転生が失敗に終わった事は三代目に取って喜ばしい事だが、それに関しては疑問が残る物となっていた。
 確かに日向ヒヨリは亡くなっていたはずである。だというのにどうして穢土転生は失敗したのか。
 大蛇丸も同じ疑問を抱いていたが、ここでこうして悩んでいても仕方のない事だ。今は穢土転生が成功した初代と二代目を完全な傀儡にして、師である三代目を殺すべきだと切り替えて行動に移る。

 穢土転生による死者の頭の中に特別製の札を埋め込む事でその死者の人格を殺し完全なる殺戮人形へと化す。
 大蛇丸はこのままでも二人を操る事が出来るが、そうすると二人の制御に力を割く為に大蛇丸自身の三代目への対応が疎かになる可能性がある。

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