ハーメルン
どうしてこうなった? 異伝編
NARUTO 第十一話

「当たり前です。あなた程の力があれば里にどれだけの貢献が出来るか。あと、ワシの名前が多いのはどういう事ですかな?」

 今まで黙っていたダンゾウがアカネの言い分にそう返す。
 ダンゾウは使える物は親だろうが子だろうが使う性分なのでアカネという最大戦力を遊ばせておくつもりは毛頭なかった。

「ほらぁ。こうなるから嫌だったんですよ」
「子どもですかあなたは……」
「今は子どもですし。十四歳ですし」

 好きだの嫌いだので動かれては忍が務まるか。そう考えているダンゾウであったが、それでアカネを止められる訳もなかった。

「それにまあ、ちゃんと木ノ葉の為に働いてるじゃありませんか」
「まあ、それは確かにそうですが……」

 そう言われてはダンゾウも強くは言えなかった。実際アカネがいなければ今回の大蛇丸と砂隠れによる木ノ葉崩しはもっと大きな被害を受けていただろう。

「あと、暁という組織についても調べてますよ」
「それは既に自来也から聞いております」
「そうですか。では暁の危険性も良く理解出来たでしょう。私は暁に対抗する為に出来るだけ里に縛られずに動きたいんですよね」

 里の任務などで動いていてはいざという時に対応が間に合わない可能性がある。
 それを防ぐ為にもアカネは自由行動権を欲していた。これまではヒアシ付きの下忍という立場でそれを得ていたが、こうして木ノ葉の中枢に正体を知られたなら改めてその権利を得る必要があるのだ。

「それは了解いたしました。ワシからの特別任務という形を取りましょう」

 三代目のその意見に反対する者はいなかった。

「ありがとうヒルゼン。それと皆にお願いが。私の事は公には普通に下忍として扱ってくださいね。敬語も必要ありませんし、アカネと呼び捨てで結構です」
「それは……」
「確かに必要な処置ですが……」
「むう……」
「ヒヨリ様を呼び捨てとは……」

 アカネのお願いに特に難色を示したのが老人四人だ。
 彼らはヒヨリとの付き合いが長かった為にすぐに了承の意思を見せる事が難しかったのだ。

「分かったぜアカネちゃん! いやぁあのヒヨリ様をこう呼ぶなんて思ってもいなかったぜ!」
「お前はお前で馴染むの早いね……。まあ了解だアカネ。これでいいんですよね?」

 対してまだ若い――と言っても老人組からしたらだが――者達は柔軟に対応していた。

「公の場では下忍として扱い、事情を知る者だけならばヒヨリ様と応対する様にすれば問題ないでしょう」
「ああ。私も屋敷ではそうしていたよフガク殿」

 そして老人と若者の中間と言える者達は公私の区別を上手く付ける様にしていた。

「まあそう言うわけです。今後ともよろしくお願いしますね皆さん」
『はっ!』

 そうしてアカネの正体と今後の対応について一通り話終えた所で、アカネはある事を思い出した。

「そう言えばヒルゼン。柱間と扉間はどうなりました?」

 穢土転生の術にてこの世に口寄せされた柱間と扉間はアカネによって常に破壊され続ける事で抵抗する事も出来ずにいた。
 その間に三代目火影は封印術にて二人を封印しようとしていたのだが……。

「残念ながら……大蛇丸が穢土転生を解除したのでしょう。封印の手前にて穢土転生は解除されました……」

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