NARUTO 第十三話
アカネ達がナルトを目指して移動しているとやがて火影室へと辿り着いた。
どうやら大分前にナルト達は綱手を重役達に出会わせていたようだ。まだ正式発表はされていないが既に綱手は五代目火影として就任していた。
そして五代目となった綱手は重要な話があるという事でナルトとサスケを招集する。そこに丁度アカネ達も到着したようだ。
サスケを呼ぶ為に火影室から出て来たカカシとすぐに出会ったのだ。
「ん? 丁度いい所にいたな。五代目様がお呼びだぞサスケ」
「五代目? 三代目はどうしたんだカカシ?」
「三代目様は引退なされたんだ。元々四代目が早くに亡くなってしまった為の一時的な引継ぎだったんだ。ここまで長く里を治めていたのが異例だったんだよ。ま、三代目ほど治世が巧みだった火影もそういないだろうけどね」
「……それで、五代目とやらがオレに何の用だ?」
「お前ね……少しは上司に気を使いなさいよ。火影様だよ火影様。あんまり調子に乗ってると怒られるよ? ……特にフガクさんに」
「う……分かったよ」
相手が担当上忍だろうが火影だろうが自分が認めて尊敬する相手以外には基本的に敬語を使わないのがサスケだ。
だがカカシがフガクの名前を出したので流石のサスケも口を噤んだようだ。
「ところで……なんでお前とアカネが一緒にいるの?」
カカシはサスケの隣に立つアカネに疑問を抱く。この二人に接点などあったのだろうか、と。
「それはもちろん。私がサスケの師匠だからです」
カカシの疑問にアカネは胸を張って答えた。どや、と言わんばかりだ。
「え!? アカネが!? サスケの!? ……ほ、本当なのかサスケ?」
「……まあな」
サスケの返事にカカシは目を大きく開けて驚く。あのアカネがサスケを弟子にした。これはちょっとした事件である。
日向ヒヨリが弟子を募集すれば全国から数多の忍が募るだろう。アカネがヒヨリであると知っているカカシからすれば驚いて当然の事件なのだ。
「そうか……運が良かったなサスケ」
そんなカカシの言葉にサスケは以前から抱いていた疑問が更に大きくなった。
一体この女は何者なんだ、と。日向の一族で、強いという事は分かっている。人が良いのも分かる。だがそれだけだ。それ以外には何も知りはしない。
それだけならここまで疑問には思わなかっただろうが、父であるフガクと担当上忍にして上忍の中でも抜きん出ているカカシの二人が共にアカネを知っており、そして一目置いているという事実が非常に気になるのだ。
父は日向の天才児と言っていたが、それだけではないような気がしていたのだ。
「……」
だがその疑問を素直にぶつけられるサスケではなかった。少なくとも疑問の当人であるアカネがいるのにそんな話題を出す事は出来なかった。
基本的に捻くれた少年であるサスケは本人に気になっているという事を知られるのが嫌なのであった。
「ま、アカネは少し待っててくれるか。呼ばれてるのはナルトとサスケだからさ」
「ええ分かりました」
「ナルトも? 一体なんだってんだよ……」
そうしてサスケとカカシは火影室へと入っていく。
残されたアカネはナルトが呼ばれた理由はともかく、サスケが呼ばれた理由が分からなかったのでそれについて思考していた。
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