NARUTO 第十四話
ある程度の憶測はあるのだろうが、もしかしたら自分の正体にも気付きかけているかもしれない。
だがそれならそれで別に構わなかった。大蛇丸は使えるコマであるし、裏切ったところで処分するのも容易く放置した所で支障はない。仮面の男にとって大蛇丸はその程度の価値だった。
そして九尾襲撃時の出来事を話す事にも何も問題はない。それよりも日向ヒヨリに関する情報を少しでも多く集める方が先決と言えた。
「いいだろう。奴に関する情報は少しでもあった方がいい。奴と直接戦ったお前に聞くのが一番だ」
「そう。じゃあ話しましょう」
そうして己の知る全てを大蛇丸は語る。
大蛇丸が全てを語り終えた後、この場に残っているのは誰もいなかった。
とある場所にて仮面の男は空を見て呟いた。
「生きていた、いや転生したのか……」
あの時、三尾をけしかけて確実に殺したはずの女。それが転生して新たな肉体を得て生きている。
流石にこれはイレギュラーだった。面倒な日向ヒヨリを確実に殺す為に戦場を操り波状攻撃を仕掛け弱ったところに三尾を投入したのだ。
だというのにこれでは意味がないどころか若返ったのでむしろ面倒事が大きくなったくらいだ。
「まあ、いい。どうせその気になればすぐにでも……」
そう呟く男の声はこの世に全くの興味を持ってない、そんな意思が籠められたかの様な声だった。
「所詮ただの余興だ。この世界は等しく存在する価値がない。ならばせめてこのくらいの余興は楽しませてもらわねばな」
そうして男は姿を消した。この世にある全てはただの余興と断じて。この世の全てに価値はないと断じて。
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