NARUTO 第十五話
アカネがカカシ率いる第七班それぞれに修行を付ける様になって一ヶ月が経った。
影分身を利用する事で三人同時に別々に修行を付ける事が出来るので、改めて影分身の利便性を再確認するアカネ。
加えて影分身を解除すると本体に経験が戻ってくるので自分の修行にもなるという優れ物だ。この術を開発した二代目火影である扉間は表彰物だとアカネは思っている。もっとも、穢土転生を開発したせいでプラマイゼロ、いやマイナスかもしれないが。
「しゅ~ぎょう~しゅ~ぎょう~、た~っぷ~り~しゅぎょう~」
等と良く分からない歌を口ずさみながらアカネはご機嫌で歩いていた。
若者の成長の早さは素晴らしい、とナルト達の成長を思い出して悦に浸っているようだ。
前から修行を付けていたサスケはともかく、ナルトは何と自来也と綱手を探しに行った十日程で螺旋丸を覚えていたのだ。これにはアカネも驚いていた。
ナルトは器用なタイプではない。発動に必要な印が不要な螺旋丸はナルト向けだが、その程度の日数で覚えられるとは思ってもいなかったのだ。
螺旋丸を考案したナルトの父であるミナトは螺旋丸の完成に三年の年月が掛かっている。完成形を教えられたナルトがミナトよりも早く覚える事が出来るのは道理だが、それでも一から覚えたならば十日というのは素晴らしい速度だと言えよう。
螺旋丸を使うナルトを見るとアカネはミナトを思いだす。やはり親子だと実感するのだ。血は争えないと言う事だろう。
今はまだ九尾のチャクラはもちろん、自分の膨大なチャクラも持て余しているが、下地が出来上がりそれらを上手く操れる様になれば飛躍的に成長するだろう。
サクラは医療忍術を習い始めたばかりなのでまだ表立った成果は出ていない。だがチャクラコントロールには目を見張る物があるのも確かだった。
医療忍術は会得難度が高く、一人前になるには長い年月を修行に費やす必要があるが、サクラならばあと少しである程度の医療忍術を覚える事が出来そうだった。
綱手と共に一通りの医療忍術を叩き込んだら、その後はチャクラコントロールを利用した攻撃方法と、医療忍者に必要な戦闘技術を教え込むつもりだ。その際はこの世界にはいないあの武術の後継者になるかもしれない。
上手く育てば綱手の後を継ぐ医療忍者に至れるだろう。将来を思うと楽しみになるアカネだった。
サスケに関しては言うまでもない。まさに彼は天才だった。
うちは一族に当てられたその言葉だが、サスケはその中でも飛び抜けた才を持つ一人だろう。
アカネの教えを水を吸い取る砂の様に吸収して行く様は見事の一言だった。目下の弱点はチャクラ不足だが、それを克服した時サスケに勝てる忍は数える程になるだろう。
そしてナルトとサスケの関係が上手い具合に作用していた。
互いに相手をライバルと認識しており、相手に負けてなるものかと修行する事で成長を更に後押ししているのだ。
そしてそんな二人を意識する事でサクラも二人に付いて行こうと必死に努力する。素晴らしい関係だった。
ナルトがサスケに勝つ→サスケが更に修行する→サクラが二人に追い付こうと努力する→サスケがナルトに勝つ→ナルトが更に修行する→サクラが追い付こうと努力する→ナルトがサスケに勝つ→以下エンドレス。
これがアカネの思い描く最終段階である。この修行の無限螺旋に至れば三人の実力は否応無く上がっていくだろう。そう思うと歌も歌いたくなるというものだ。
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