ハーメルン
どうしてこうなった? 異伝編
NARUTO 第十八話

 暁が捕らえた尾獣の内、六体を封印し終わるのに要した時間は約二週間。尾獣一体に辺り二日はかかるので、流石に合間に休憩を挟みながらであった。
 そして最後に八尾の人柱力であるキラービーから尾獣を抜き取り封印をする。だが、そこで思わぬトラブルが生じた。
 キラービーを捕らえていた大蛇丸が口寄せにてキラービーを封印の間に呼び出す。それを見た仮面の男はピクリと反応し、滅多に開かない口を開いた。

「……分身か」
『!?』

 仮面の男の言葉に驚愕する暁。そして仮面の男にその言葉の意味を追求する前に、仮面の男はキラービーに苦無を投げつける。
 薬で意識を奪われた上に鎖で雁字搦めにされたキラービーは、当然その苦無を避ける事が出来ない。だが、苦無が命中した瞬間、キラービーの肉体は巨大な蛸の足へと変化した。

「これは……」
「情けねーな大蛇丸! いっぱい食わされてるじゃねーか!」

 飛段が言うように、キラービーを担当したのは大蛇丸だ。つまり大蛇丸がキラービーに騙されたという事になる。恐らく戦闘中に上手く尾獣の一部を囮にして逃げ出したのだろう。

「……申し訳ないわね。私の失態よ」

 己のミスを認め、謝罪の言葉を口にする大蛇丸。だがこれはミスなどではなく、大蛇丸がわざとキラービーを逃がした結果であった。大蛇丸は全てが暁の思い通りに動かないように手を抜いていたのだ。
 このまま暁の思い通りに事が進めば自分の野望を達成出来そうにない。そういう勘のようなものがあったのだ。後は様々な情報を集めた結果からの判断でもある。

「どうするんだ? また八尾を捕らえに行くのか?」
「だが確実に逃げてるな、うん。また居場所を探す手間がいるぜ、うん」
「その手間は大体ゼツが払うんですがねぇ」

 口々に自分の考えを語る暁に、仮面の男は特に焦る事もなく儀式を続ける。

「問題ない。蛸足一本でもいいから外道魔像に封印しておけ」
「……そう言う事だ。全員封印の準備にかかれ」

 仮面の男の言葉を聞いたペインは、その通りに取り掛かるように全員に命令を下す。
 それを見た大蛇丸はやはりペインの裏にいるのが仮面の男だと確信する。あれが裏でペインを操っているか、それとも共謀しているだけなのかまでは分からないが。



 暁が八尾の蛸足を封印し終える。これで不完全ではあるが捕らえた尾獣は全て封印された事になる。

「では、各々休息して最後の準備に取りかかれ。それが終われば……木ノ葉を落としに行く」
「よっしゃー! やっと思い切り人を殺せるぜ! ジャシン様ァァ! 見てて下さいよぉ!」
「お前はこの三年間で大分殺しただろうに。まだ殺したりないのか。まあ、オレは金が手に入ればそれでいい」
「芸術は爆発だ。それを木ノ葉の連中に教えてやるぜ、うん」
「違うな。芸術とは永遠に残る美の結晶だ。オレはこの傀儡の体でそれを永久に伝えていくのだ」
「さて……私も準備に取りかかろうかしらねぇ」

 暁のメンバーそれぞれが自分の欲望のままに動ける事に喜びを顕わにする。
 この三年間で溜まった鬱憤を全てぶつける事が出来る機会が来て、真実嬉しいのだろう。

「作戦は以前に言った通りだ。では、一度解散する」

 そうしてその場から暁は一人、一人と消えていく。最後に残ったのはペインと仮面の男のみだ。

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