ハーメルン
どうしてこうなった? 異伝編
NARUTO 第一話

 かつて、戦国の世があった。
 そこではチャクラと呼ばれる特殊な力を操る者達が血で血を洗う戦いを繰り広げていた。彼らはこう呼ばれていた。忍、と。
 国々が自国の利権や領土拡大の為に争い、その戦力として忍は一族単位の武装集団として国に雇われ戦争に参加していた。
 更には国の戦争に関係なく、いや戦争で多くの仲間や家族を殺された恨みや悲しみが広がったせいで、戦争以外でも忍は多くの一族がいがみ合い殺し合う様になっていった。

 そんな戦国時代、忍と国民の平均寿命は僅か30歳前後と言われている。
 その平均を大きく下げていたのは、多くの幼い子ども達の死だった。
 10歳にも満たない子どもが忍として戦場に出てその多くが死に、そして国民もまた戦争の巻き添えとして子どもを含めて死んで行く。

 いつまで続くのか、いつ終わるのか分からない地獄の様な時代。それを地獄だと思わず常識だと認識してしまう世の中。
 そんな時代に、ある一人の少女が生きていた。

 彼女の名は日向ヒヨリ。忍の一族でも有名な日向一族、その宗家の姫君である。
 ヒヨリはこの戦国の世を憂えていた。他の忍と違い、ヒヨリは殺しを好まなかった。
 いや、他の忍も好んで敵を殺す者は少なかったが、それでも敵は殺す物として当たり前に思っていた。
 だがヒヨリはそうではなかった。国の利権の為に雇われ、一族の利権の為に敵を殺す。そんな生き方しか知らない自身の一族や他の一族を哀れに思っていた。

 何故ヒヨリがその様な考えに至ったか。それは彼女が前世の記憶を有した転生者であるからだ。
 平和な世界で生き、平和に育った経験を持つヒヨリにとって、この戦国の世しか知らない人々は憐憫の対象となったのだ。
 いや、大人ならばいい。大人が大人の都合で戦いに生きるのは否定しない。ヒヨリとて争いはともかく競い合う意味を持った闘いならばそこまで嫌いではない。
 だが、子どもを巻き込むなら話は別だ。戦争に子どもを投入し、十にも満たない歳の子が殺されていく。そんな世の中は間違っている。
 だからこそ、子どもを戦争に加担させる事が当たり前だという常識が、ヒヨリには我慢出来なかった。

 大人が大人の都合で、国が国の都合で戦争しているならばヒヨリも特に思うところはなかっただろう。
 国にとっての戦争とは政治の延長という側面もあるだろうし、場合によっては戦争をしなければ国が滅んでいた事態もある。戦争の全てを否定はしない。
 もちろん自国が一方的に他国に攻撃されて滅ぼされるのを許容するわけはないが。
 それは別として、子どもを駆り出してまで殺し合いを繰り返すこの世界の常識はヒヨリには受け入れがたかった。



 ある日の事。ヒヨリは日向一族の集落を抜け出し一人木の上に立っていた。
 いつまでも続くこの戦国の世に気が滅入り、少し気分転換をする為にこうして景色を眺めていたのだ。
 高い所から目を凝らせばどこまでも遠くを見渡せるような気がするのでヒヨリは高所が好きだった。
 ヒヨリはその両目を白眼へと変化させ、周囲360度全てを見渡す。

 白眼。これは日向一族が保有する血継限界と呼ばれる特殊な力である。
 血継限界とは忍がチャクラを練って生み出す術では再現出来ない特殊な力の事を指す。
 その希少な能力の中でも白眼は三大瞳術と呼ばれ恐れられていた。

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