NARUTO 第一話
柱間以外ならば、マダラは相手が何を言っても信じはしなかっただろう。
柱間だからこそ。互いにたった一人残った弟を想い、幼子が理不尽に死す世の中を憂い、そんな世界を変えたいと努力している。
そんな自分と同じ境遇の柱間だからこそ、その腑を見ずとも言葉を信じる事が出来たのだ。
「う、うう。オレは、オレは嬉しいぞ……!」
「だぁぁ! 泣くなうっとうしい! お前落ち込みやすいだけでなく感激屋でもあんのかよ!」
「うう、感動です! いけませんね歳を取ると涙もろくなってしまって……!」
「そういやいたなお前よぉ!! その歳で何ほざいてんだ!?」
だーだーと涙を流す柱間の横で、一連の話を聞いて感動して涙をほろりと流しているヒヨリ。
歳を取るとなんて言っているが、どう見ても柱間やマダラと同年代である。馬鹿にしてるのかとマダラが思っても仕方ないだろう。
「で、結局お前は何なんだ?」
「日向ヒヨリ。性別女性。年齢・体重・スリーサイズは秘密です。知りたかったら私の心を射止める事ですね」
「んなこと知りたくもないわアホがァァ!」
「え……もしかしてホ――」
「そこから先は言わせねぇぞ!」
「マダラ……お前オレの体を狙って……」
「ぶっ殺す!」
マダラの瞳に写輪眼が宿る。しかも勾玉は二つだ。本気の殺意である。
『ぎゃああああああ!!』
哀れ。二人は殺意の波動に目覚めたマダラによって大地の養分と化してしまった。
……という事はもちろんなかったが。
「冗談! 冗談ですってば!」
「この! くそ! 避けるな!」
「避けるよ! 当たれば痛いでしょ!」
「落ち着けマダラ! オレが悪かったぞ!」
「黙れこらぁぁぁ! やっぱりお前とは相容れねぇぇぇ!」
この騒動は柱間とマダラが倒れこむまで続いたという。
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