ハーメルン
どうしてこうなった? 異伝編
NARUTO 第三十七話

 ナルトが尾獣達を解放してすぐ、尾獣は全て外道魔像の元へと再び封印された。それをナルトはじっと見つめ、そして必ず尾獣達を解放すると決意する。

「おいナルト! すごいじゃないか!」
「九尾の完全なるコントロール……これ程とは」

 そんなナルトの元に仲間達が駆けつける。オビトもイタチも、尾獣化を成功させて敵に操られる尾獣を解放した手腕を掛け根無しに褒めていた。

「ちっ……まだ負けたわけじゃねぇ」

 若干一人ほどナルトの急成長に苛立ちを示していたが。どれだけ成長しても、ナルトに関してはまだまだ子どもなのだと、アカネもため息を吐く。

「オビトのおっちゃんもイタチ兄ちゃんもありがとな。でもこのモードは、ってもう駄目か!」

 突如として声を荒げるナルト。それと同時にナルトの尾獣化が解除され、その上九尾チャクラモードも切れて通常のナルトへと戻ってしまった。

――しばらくは無理だな。ワシのチャクラをコントロールする事はともかく、尾獣化は少し間を置いてからだ――

「分かったってばよ九喇嘛」
「九喇嘛……九尾と本当に和解したんですね。……良くやりましたねナルト」
「アカネ……」

 あの憎しみばかりを籠めたチャクラを放っていた九尾を、友として受け入れる。それがどれほど困難で、どれほど偉業か。
 本当に成長した。ナルトならばいずれは、と思っていたアカネだが、いざそれを見ると感嘆の想いしか浮かばなかった。
 そんな優しく自分を褒めてくれるアカネを見てナルトも感動する。修行中は厳しくも、上手く出来れば褒めてくれたアカネだが、これほど真に想いを籠めて褒められた事は初めてだったのだ。

「と言っても、まだ九尾のコントロールは完全ではないようですね。持続時間も短いです。戦争中ですので修行は出来ませんから、実戦にて磨くようにしなさい。最重要課題ですよ」
「あ、はい」

 感動は一瞬で終わった。褒めた後に新たな課題を出す所は修行も実戦も変わらない様だ。

――けっ! 生まれ変わっても変わってねーなこいつはよ――
――あん? 生まれ変わったってどういうことだってばよ?――

 心の中で九喇嘛と会話をするナルト。どうやら九喇嘛の呟いた言葉が気になる様だ。
 そこで九喇嘛は隠す事もなく、自分の知るアカネの正体をナルトに教え込んだ。

「はあああ!? アカネがヒヨリって人の生まれ変わりぃぃぃ!?」
「おや、九尾……九喇嘛と言いましょうか。九喇嘛が教えましたね?」

 ナルトのいきなりの発言を聞き、アカネは即座にその答えに行き付いた。
 九喇嘛は先々代の人柱力であるミトの中に封印されていた時に、日向ヒヨリの事を知った。
 いざ九尾が復活した時の抑止力であったヒヨリが九喇嘛を警戒していたのは言うまでもなく、九喇嘛は己の対抗手段であるヒヨリを警戒していたのだ。
 そのヒヨリが亡くなった時は内心笑みを浮かべたものだが、転生しアカネとなり、そのチャクラを九喇嘛が感じ取った時には歯軋りしてたりする。 
 しかも新たな宿主であるナルトを鍛え出したのだ。その時の九喇嘛の心境や如何に、であった。まあ今は九喇嘛もナルトの事を信頼し、人間と事を構えるつもりはないから問題ないのだが。

「まじかよ……」
「ふん、今更気付いたのか」

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