分身の時間
「せんせー、結局、何が言いたいんd「先生方の仰る様に…」
くるくるくるくるくるくるくるくる…
校庭の弩真ん中に移動した殺せんせーは、体をくるくると高速回転させながら語り出した。
「先生方の仰る様に、自信を持てる次の手があるからこそ、自信に満ちた暗殺者になれる。対して君達は どうでしょう?」
くるくるくるくるくるくるくるくる…
さらに回転速度を上げる殺せんせー。
「『俺等には暗殺があるから、それでいいや』…と考えて、本業である勉強の目標を低くしている。
それは…劣等感の原因から目を背けているだけです。」
くるくるくるくるくるくるくるくる…
「もし先生が この教室から逃げ去ったら?
もし他の殺し屋が先に先生を殺したら?」
ゴオォォ…
次第に くるくる回転している殺せんせーを中心に小さな竜巻が発生した。
そして回転しながら、殺せんせーは言い続ける。
「暗殺という拠り所を失った君達には、もはやE組の劣等感しか残らない!
そんな危うい君達に…先生から警告(アドバイス)です!!」
ゴオォォオオオオォォオオォォォオゥッ!!
「第二の刃を持たざる者は…
暗殺者を名乗る資格無し!!!!」
ついに それは、直径数十㍍、高さ数百㍍に及ぶ、巨大な竜巻となった。
ドドドドドドドドドドドドドドドッ…
「ヌルフフフフフ…
校庭を少し手入れしてみました。」
そして 竜巻は止み、校庭の真ん中…竜巻の中心部に居た、いや、竜巻の核だった殺せんせーは事も無げに言ったのだった。
「「「「「「「「!!」」」」」」」」
何という事でしょう…
殺せんせー(たくみ)の竜巻(ぎじゅつ)によって、あの荒れ果てていた凸凹だったグランドは、真っ更な平地に整えられました。
あれほど生え放題だった雑草や小石は全て取り除かれ、立派な競技用トラックまで完備されています。
様変わりし過ぎた校庭を見て驚く生徒達。
「先生は地球を消せる超生物。
この一帯を平らにする等 容易い事です。」
超生物は瞳を妖しく光らせ言い続ける。
「もしも君達が…自信を持てる第二の刃を示せなければ、この私を相手に値する暗殺者は この教室にはいないと見なし、校舎ごと平らにして先生は去ります。」
「…………………」
この発言には烏間も顔を曇らせる。
「第二の刃…何時までに?」
渚の質問に、殺せんせーは ごくごく当たり前の如く答えた。
「決まっています。明日です。
明日の中間テスト、クラス全員が50位以内を取りなさい!」
「「「「「「「はあぁ!??」」」」」」」
驚愕する生徒達。
それに構わず殺せんせーは言い続ける。
「君達の第二の刃は先生が既に育てています。
本校舎の教師如きに劣る程…先生はトロい教え方をしていません。」
「んん。それは解る。」
響が頷き同意する。
「自信を持って その刃を存分に振るってきなさい。
仕事(ミッション)を成功させ、恥じる事無く笑顔で胸を張るのです!
自分達が暗殺者(アサシン)であり…E組である事に!!」
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
そして翌日…中間テストが始まった。
[9]前 [1]後書き 最初 最後 [5]目次 [3]栞
現在:3/3
[6]トップ/[8]マイページ
小説検索/ランキング
利用規約/FAQ/運営情報
取扱説明書/プライバシーポリシー
※下部メニューはPC版へのリンク