ネギまの世界2-9
「くッ!やれぇ!!」
その声にロボット軍団プラス七人衆がネギたちに走っていく。数の上では圧倒的に不利であった。
「ふっ!ハァ!!」
しかしその差をものともせずディケイドはソードモードで切り刻み。
「フッ!ハァ!!」
ディエンドは銃を撃ち。
「ハァ!!ウリャ!」
ネギは古菲から教わった中国拳法を繰り出していく。彼らには数の差などは眼中になかった。そしてその三人に続いて麻帆良学園の精鋭たちが続いていく。
「士君…」
そんな彼らを遠くから見ているのは気絶したユウスケを介抱している夏海である。そんな彼女の元に一つの小さな影が飛んできた。
「は~い夏海ちゃん」
「キバーラ!あなた一体今までどこに…」
先ほどまで鳴滝(浮浪者の方)の元にいたはずのキバーラがその足にビンを持ってやってきた。
「それよりも…はいこれプレゼント 」
「ビン?」
何故ビンなど持って来たのかわからないが、彼女はおっかなびっくり開けてみる。
「キャッ!!」
すると、中から煙と共に一つの人影が出現する。
「エヴァちゃん!?」
「フン…ようやく出られたか…私としたことが、油断してしまった……」
それは、行方不明となっていたエヴァであった。昨日別荘から士たちが出ていった後に何者かに拉致されたらしい。おそらく結界がなくなった時に一番厄介となるのが、真祖の吸血鬼並びに闇の福音ことエヴァンジェリンであったのだろうと思われる。
「マスター!」
「……その顔…どうやら吹っ切れたようだな…」
エヴァが見た彼のその表情はすがすがしいほどの笑顔であった。彼の心の奥底にあった迷い、そして後悔、その色々なものがなくなったその瞳は透き通り、そしてどこまでも輝いていた。
「…はい!」
「フフ…さて、では今回の屈辱2倍……否、10倍にして返してやろう!」
エヴァは呪文を唱え空を存分に舞った。そしてある時は巨人兵を次々と氷漬けにし、またある時はロボットたちを粉々にしていく。その姿はまるで籠から解き放たれた白鳥のように…
「ハハハハハハ…ハァーハッハッハッハッハ!!」
…アンゴルモアの如くとしておこう。
「マスター、楽しそうでよかったです」
「いいのかあれで?」
そしてその姿を見て涙のように洗浄水を目から流す茶々丸とそれに突っ込む千雨
「エヴァ様すごーい!」
「エヴァちゃん、あんなこともできたなんて…」
「あれが真祖の吸血鬼の力ネ…そして……」
いつもの風景、いつもの非日常。これが彼女たちにとっての常識である。
「ネギ」
「はい?」
「お前のクラス、31人全員そろったな」
「!…はい!」
超、エヴァが戻ってきたことで、ネギクラスが元通り31人になった。秘密を共有するものが一人でもいてくれるという事、それはどれだけうれしいことか、共に苦難の道を歩んでくれるもの、その存在がどれだけたくましいことか。その時、ディケイドのライドブッカ―から三枚のカードが飛び出した。
「!」
ブランク、つまり最初は何も書かれていなかった場所に現れたのは、半分ネギの顔で斜めに線が入ってもう一方に白いオーラをまとったネギの顔のカード、白い羽根の書かれたカード、そして3-Aの出席簿が書かれたカードであった。
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