行くぞ、兄弟よ合体だ!
辺りの魔力濃度は上昇を続け、やがて竜牙兵の周囲は光りに包まれていく
周囲の竜牙兵やマルタ、もちろん自分も含めて全員が直視できず目をそらしたり手で遮ったりする。
その中で気になる言葉をマルタが発した
「エーテルですって!何でこんなところにそんなものが集まるのよ……」
エーテル……サーヴァントの外殻を構成する物質であり
錬金術でいう四大元素の外にある架空の物質である(一説には惑星、宇宙を構成する物質ともある)つまり観測されないが存在しなければならない物質である。
というよりも知らんぞ!なんにしようとしてるんだあの筋肉ども………もしエーテルとかだったらただでさえロンドン塔から目をつけられているのにそこにアトラス院まで追加するのか?
それ以上に消費魔力が多すぎるぞどんだけ食うんだあれ…………
やがて
「行くぞ!兄弟!」
「カタ、カタ!」
筋肉が骨を上空へと放り投げた。
骨がバラバラに分かれてエーテル漂う空中に浮かぶ
「来るんだ!兄弟!」
(ほ、骨がシャベッタアアアア)
「応!!」
それに合わせて筋肉のほうも地面を蹴って飛び上がり
「「合体!」」
筋肉が盛り上がっていき骨がもとあった場所に戻るかのように筋肉の中に格納される
しかし、胸部や肘、膝等は深紅に染まった骨に覆われていく
そこに
「受け取れ兄弟達よ!」
それを見ていた周囲の竜牙兵の一人がそこに自分が持っている盾を投げ込んだ
「「感謝する!」」
投げ込まれた盾には余った骨が張り付き変形して丸盾にと変わる
そして、
「「竜牙兵、重装歩兵モード!」」
深紅の骨鎧を纏い一つになった竜牙兵が降り立った
それはまるで古代の主力歩兵、王政ローマ初期の姿そのものだ
「兄弟よ!」
彼が叫ぶと筋肉の内から突き破るように深紅の骨槍が生えてくる
「いざ、行かん!」
それを受けとり竜牙兵はマルタに対して
槍を突き出す
「姿が変わっても動きは同じね……」
しかし、その突きをマルタは余裕を持って横にかわし、突きによって隙ができた左半身に対してその拳を叩き込んだ
「「効かぬ!」」
だが、その拳をしっかりと確実に丸盾で受け止める。
その体は衝撃を吸収し一歩たりとも後ろに下がらなかった
「え……嘘!」
これにはさすがのマルタも驚き少し動きを止めてしまい、そこに竜牙兵の二度目の槍突きが繰り出された
「何度も同じって分からないかしら」
マルタは以前と同じように回避するのだが………
「兄弟、頼む!」
「応!」
槍の向きが変わった……いや、伸びている
「なんですって!」
マルタの回避により検討違いの場所に向かっていた槍はグニャリと曲がり回避したマルタを追うように進んでいく
そしてついに
「くッ」
マルタの右腕に届いたのだ!
しかし、サーヴァントはこのようなダメージではかすり傷ぐらいである。
「よくもやってくれたわね……」
傷を負ったマルタは右手を見て全力では使えないことを悟り今度は左腕を繰り出した。
「来るぞ!」
マルタの動きに対して丸盾を構えて受けとめようとするが、その拳は竜牙兵を狙わずに槍を打ち砕いたのだ
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