ハーメルン
俺の一族がレアモンスターなんだが。
閑話バレンタイン戦線異常なし〈前半〉

今年もこの日がやってきた
2月14日……バレンタインである







バレンタインとは古のあるローマ皇帝が兵士が結婚すると士気が下がるため毎年行われていた結婚相手を選ぶくじを禁止し。
これに対しキリスト教徒のバレンタイン司教が異議を唱えた事が発端という説もある。

なので……ローマ成分に侵食されつつあるカルデアではそんなステキイベントが起こるはずもなく

そもそも、ローマ軍は大部分が若い市民で構成されており。
ローマのために日夜鍛練に励む彼らには出合いなどいっさいがっさいない。
悲しいほどにない…基本的に一度兵士になれば25年間は兵役につく。
そのため、兵役が終わるまで結婚出来ないし、いちゃつくこともできず下手すれば多数が童の帝王である事も否定出来ない。

愛餓男の集団である。

さらに……一応の指揮権をもつ貴族(飾り)の代わりに前線で軍を率いる実質的な指揮官である百人隊長に至っては生涯結婚しない!
一生をローマの為に捧げる勇者であるのだ



魔法使い候補と魔法使いを超越したなにかが生まれる可能性がある軍団の目の前でバレンタイン?チョコレート?などとワイワイすれば……後はわかるよね?


始まりは唐突だった
カルデア某所
沢山の竜牙兵達が集い鍛練に励んでいた

そこに
ざわざわ……
「「「この戦時にバレンタインだと!」」」
彼等はカルデアにいるサーヴァント達とは違い各時代の特異点で日夜、鉱石を掘り(密採掘)農作を行い(密農)猟をして(密猟)、交易をして(領主への不届けおよび商業ギルド無所属)来るべき戦いに備え物資を蓄えている。

そして、その場所は時代に影響を与えないために幻想種が蔓延る人が寄り付かない辺境がほとんどであり。その場その場で襲いかかってくる怪物と戦闘する。

ちなみに当面の敵はサーヴァントを殴り殺す巨大ヤドカリの軍勢である

「ローマが亡ぶかの瀬戸際だぞ!」
「なんという腑抜けた考え」
「我らの心は常在戦場!」
彼等は憤慨した……日夜戦場を駆け回り日々怪物と戦う我らに比べてあまりにも意識が欠けているのではないだろうか?と。

「しかしな………………息抜きは必要だろ……」
だが、サーヴァントは腐っても英雄だ。いくら昼間から食堂で酒を飲み廊下で寝転んでいても英雄なのだ。ここにいる誰もが単身では絶対に勝てないのだ。

「ウム、ならば腑抜けた者達のみを連行すればいいのでは?」
ならば我々に負けるようなサーヴァントのみを筋肉まみれにしよう!そうすればカルデアの戦力も上がるし。


なによりバレンタインの邪魔ができる。


「「「「それだ!!」」」
ここにいる誰かがそう思った。
もともと多少の差異があれども同じ竜牙兵だ頭の中はほぼローマと筋肉で占められる。
一人が考えることは伝染するかのように全体の考えになる


「よし!リアじゅうには制裁を!」
「何だそのリアじゅうとやらは?」
「マスターがいうには鍛練もせずに心に決めた伴侶も選ばずヘラヘラしている者を指すらしい…」
そこに年中魔術士から逃げ回り転校を重ねて枯れ草色の青春を送った彼等のマスターの偏見のみの知識が油を注ぐ

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