ハーメルン
俺の一族がレアモンスターなんだが。
バレンタイン戦線異常なし〈後半〉

「しっかしまあここがあいつらの本拠地か規模の割にずいぶんと質素だな」
一応の規模は正規のローマ兵士が300人それと後方にいるもの達もかなりいるのだ……今思えば簡単に国が落とせる規模である。
クーフーリンはゆっくりと歩き出してパイプ椅子の上に座って机の上を物色し始める。

「一応逃亡中の身だからな。だが、ここで彼等の集めてきた魔力リソースの集計と分配や工房での兵器構想が決められているんだが」
エミヤは地面に落ちている紙を避けながら机にむかう

「そうかい……なんだこりゃ!」
クーフーリンは机の上にあった赤い紙を手に取り流し見ていると突然驚いたような声だした

「どうした?」
「おい、これを見ろ!」
クーフーリンは見ていた紙をこちらに差し出す

それには


「工房報告書」
マスター、かねてより構想されていた我等の兄弟達が苦労して集めた素材や資源を掠めとっていくコルキスの王女への報復兵器がテスト段階に入りました
問題点を抽出したため一度工房へお戻り下さい
魔力感知式二足歩行爆雷
〈「イアソン君version3」開発チーム〉





「彼はまだ懲りてないのか……またへんてこな物を作って」
「いいじゃねえか俺はあの魔女の顔が固まるのを見て見たいぜ」
クーフーリンは紙を机の上に放り投げて奥にある段ボールハウスに近づいていく

「で、ここが奴の家か……」
クーフーリンはそいいながら段ボールを何回か叩くとカンッカンッとおよそ素材とはかけ離れた金属音がなったのだ
「強化と加工によって変質しているそうだ……たしかワイバーンくらいの固さとか言ってたな」
エミヤはどこからか出した携帯コンロに火を付けて持ってきたスープを煮込み始める
「なにやってんだ?」
「こうするのが一番早い。手伝え」
エミヤからうちわを渡されたクーフーリンは渋々スープから発生する匂いを段ボールハウスへと扇いで送る

すると

「ご飯!ーーーー」
中から人が飛び出してきてスープ鍋の中身をそのままがっつがっつと食べていく
「ご馳走さまでした!」
やがて食べ終わったのか元気よくあいさつをしてくる
「おお、エミヤじゃあないか!この前渡した包丁の様子はどうだい?」
キラキラとした視線を向けてくる彼に対して
「使ったらシンクまで切れたんだが……切れすぎだ!何を切ろうとしてるんだ?」

「コンセプトは魔竜にも使えるキッチン用品だけど……わかった今度はそれに耐えれるまな板を作る」

「違う!そうじゃない!第一あんなドラゴンを倒せるような文化包丁が量産されたら私の宝具が……」
全く方向が違う答えに対してこめかみを押さえて唸るエミヤ
「なあ、話がずれちゃあないか?」
ここでクーフーリンにより会話の方向修正が入った

「すまない、久し振りに何も混ぜられてない食事の匂いがして興奮したんだ。二人ともここへは何しに来たんだ?」
二人の脳裏に混ぜ物?という疑問が生じたのだがここではそっとしまっておいた

「外でお前の部下が大暴れしてるんだ!」
クーフーリンがかけよって肩を揺らす
「竜牙兵が………バレンタインか。なら大丈夫だ。竜牙兵もバカじゃない自分達のおふざけで人類が滅ぶのは本望ではないはずだ。暴れてるのはシフト外の一部だろう」

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