ハーメルン
ARMORED CORE VERDICT DAY ヴェニデの剣豪
Chapter06 荒波の中の死神
彼らはUNACという荒波を待っている。
待ち構えている彼らの上を攻撃ヘリ部隊が通り過ぎる。
《こちら、ヘリ部隊。偵察に向かう》
荒波が来るまでまだ猶予がある内に攻撃ヘリ部隊は偵察に向かっていく。
数分経ってから攻撃ヘリ部隊から通信が入った。
《暴走した大多数のUNACを確認、こちらに向かってくるぞ!》
《なんて数だ!》
《逃げろ、三番機! 狙われている!》
《ちくしょう! 駄目だ、避けきれない》
《うわぁあああ!!》
攻撃ヘリ部隊が向かって行った先から爆音が響いた。
一報が届いて一分と経たずに攻撃ヘリ部隊が全滅した。
その事態に最前線にいるACのパイロットたちが息を呑む。
しかし、彼だけは違った。むしろUNACが来るのを望んでいる。
《爆発を確認、撃破されたのは先ほど儂らの頭上を飛んでいた攻撃ヘリ部隊じゃ》
パイル持ちの老人は彼らに攻撃ヘリ部隊が確かに全滅したことを通告する。
彼らはたちまち戦闘モードとなり、彼らのACは臨戦態勢に入った。
武器の照準は攻撃ヘリが向かって行った先に向ける。
いくつかの爆発の後、まるで嵐の前のような静けさが訪れる。
《反応あり、多数のUNAC接近中》
《数は?》
タンク型に乗る老人は各パイロットに伝える。
そこでフレイドは詳しい数を訊いた。
《敵の数は約三十機》
《嘘だろ》
ACが三十機、その数が戦場にいるというのはまさしく異常である。
フレイドは一歩引くが、後ろに引いても余計な被害を出すだけだと気付き、引いた歩数分、前に前進する。
《敵UNACを視認したわい、どうやらシリウスのUNACのようじゃのう》
老人が視認したのはシリウスの軽量二脚型ACだ。
パイル持ちの老人は悠長に構え、ブースターから火を出し始める。
彼らは老人の後に続いてUNACにぶつかりに行く。
もちろん大量のUNACも彼らにぶつかりに行く。
《戦闘開始だ!》
タンク型乗りの老人は叫ぶ。
砂や石を巻き上げる音、ブースターの噴射音、それらの騒音が現れ、静けさは消えた。
彼らは覚悟して荒波に挑む。
タンク型の持つレーザーキャノンは光りを迸らせ、フルチャージされたエネルギーを飛ばした。
それが戦場に走った最初の火線である。
最初の光りは先頭をブーストで移動しているUNACに直撃を与えた。
しかし、破損と溶解はしているもののまだ動いている。
それをフレイドは有効射程ギリギリのガトリングによる射撃で溶解している部分に音速を超える弾を送り込み続ける。
そして稼働限界を迎えたUNACはジェネレーターを暴走させ、その身体を木端微塵にした。
《一機撃破!》
敵UNACを撃破したところでフレイドのACに嵐とも呼べる弾丸と光りの集団が押し寄せた。
フレイドは対実弾用シールドを展開させながら、回避行動に出る。
弾丸はシールドに弾かれ、光りは表面を溶かしていく。
あっという間に使用限界を超えてしまったシールドを投げ捨て、武装をガトリングとバトルライフルに変更する。
危険と見たフレイドは後方に下がった。
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