ハーメルン
戦姫絶唱シンフォギア ~Gungnir Girl's Origin~
EPISODE13 夢に沈み、闇の奥へ
とても高いところから真っ逆さまに落ちて行く感覚がする。
恐る恐る目を開ければそこは明るくて何もない青いところだった。色合い的には空や海の色に近い。
けれど、空高くから落ちているにしては地上は見えなくて底には何もない。落ちてきた上の方を見上げてみれば、陽の光はあって明るいし、雲も風の流れによって何処かへ向かって行ってしまう。落下するときに聞こえる風切り音も耳に強く響いている。
じゃあここは空高いところかと言えば、私の口から水泡が出て空気が逃げて行くみたいで、まるで水の中や海の中のよう。でも何故か呼吸が出来て苦しいわけでも無い。もう一度口を開けてみればゴボゴボと空気が出て行く、でも水を飲んでる訳じゃない、その繰り返し。
それに海の中にしては周りは明るくて、水の抵抗を感じないし目を開けても痛くない。
私は空の高いところでも、海の深いところでも無い、――そして誰もいない、とても不思議な空間にいた。
……ここは……?
何処だか分からない。現実にこんなところがある訳がないし、私はこんなところに来た覚えがない。
現実世界の世界じゃないとすれば、ここは夢の中。
……そっか、私、夢を見ているんだ……。
私は私の意思とは関係無しに止まりもしないでどんどん落下していくようだった。実のところ、止めるつもりもなかった。夢にしても理解不能な不思議な場所で、私は自由落下に身を任せていた。
何で私はここにいるんだろう……?
私はどこまで落ちていくんだろう……?
……私は、一体どうなるんだろう……?
……私は、いつになったら目が覚めるんだろう……?
考えれば考えるほど分からなくなる。
その問いかけに答える人や教えてくれる人は誰もいない。
……まず、ここは何処?
――ここは夢の中、私が今見ている夢の中。
……じゃあ夢を見る前は何をしていたの?何で私は眠って夢を見てるの?
――少しずつ思い出していこうかな。
確か私は過去に来てしまって、この世界の翼さんや師匠と出会ってそれから、それから……、月を、壊そうとした。
私が空を飛んで誰も居ないところにいった後にやって来た緒川さんと戦って、それから師匠がやって来た。師匠は私が月を壊そうとしたのを間違っている夢だと言った。そう言われた後、頭の中がぐるぐるしてグチャグチャになって何も分からなくなった、何も考えられなくなった。
頭が考えることを拒否しちゃったんだ。
……そこからは、あんまり覚えてない。
けれど、矛盾してるようだけど何かをしたような気がしている。
私は一体、何をしたんだっけ……。
…………………。
……………………………。
…………………………………………。
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