ハーメルン
鬼提督は今日も艦娘らを泣かす《完結》
作者:室賀小史郎

 ◇はじめに◇

 とある泊地にある、とある鎮守府。
 そこには数多くの艦娘が在席し、近海の平和を深海棲艦から守り、近隣住民の誰もが艦隊を頼りにしている。

 しかしその鎮守府を預かる提督には何かと曰くが付いて回っていた。
 年齢は33歳で体格は正に軍人らしい筋骨隆々な男。加えてその筋の人間ではないかと間違われるくらいの強面で、髪は黒で髪型は両サイドを短く揃えたオールバック(襟足長め)。それに過去の事故で右眼を失い、マルーン色の眼帯をしているから余計にそう見せる。

 過去の事故とはまだ艦娘が世に知られる前の頃で、当時海軍の特殊部隊で最前線にいた提督は、仲間を救出する際に破裂した深海棲艦の鋭利な破片が右眼に突き刺さったのだ。

 当の本人は右眼しか失っていないとし、挙げ句の果てには両眼が失くなっても軍人でありたいと願う。
 それは一途に国を守りたいという願いからだ。
 そんな強い愛国心は彼の両親譲り。
 彼の両親は共に退役軍人であり、今ではどちらもその時の経験を活かし、父親は防衛省で母親は外務省でそれぞれ国のために働いている。
 加えて彼の実の兄と姉も両親に倣うように各省へ勤務しているエリートだ。
 長男も長女も家族のために努力をし各省へ身を置き……そして末っ子の提督はそんな家族と国のために軍人になった。

 しかし中にはそんな彼を素直に歓迎出来ない者もいる。
 その者たちから親の七光りなどと陰口を叩かれつつ、本人は行動で示そうとだんまりを決め込む。
 結果、彼を噂でしか知らない人間たちは豊富な資金で周りを黙らせ、誰も余人が関与出来ない鎮守府で酒池肉林な生活をしながら、見目麗しい艦娘たちを泣かせては悦に浸っていると思われている。

 実家はどこぞの貴族のように資金があり、本人もそれを一部保有していて且つ能力もあって少将ということで申し分ない。
 よって嫉妬の対象となり、あることないことを心無い者たちから散々っぱら囁かれ、本人は弁明しない……そう、彼は良くも悪くも典型的な日本人気質なのだ。

 彼の名は『鬼月仁(おにづき じん)』。
 これは、そんな彼と艦娘たちの物語である。

 ◇◇◇◇◇◇

 これは艦隊これくしょんの二次創作です。
 本編は全て筆者の妄想です。
 それをご了承の上でお読みください。
 またリクエストにはお応え出来ません。

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 週1投稿を目標にします。
~目次~

[1]次 最初 最後
◇泣いても意味はない
◇うちは俗に言う"ブラック"なんだそうで……
◇鬼の強大な力
◇鬼は父性の塊なのかもしれない
◇鬼は女子どもも泣かす
◇鬼の娘になるまで
◇鬼大満足
◇鬼は査察官も泣かす
◇鬼の恐ろしさは国境をも越える
◇醜さと美しさ
◇強さとは
◇良妻たちの憂鬱
◇姫は追う
◇愛を欲し、愛を得た
◇押し掛け申す
◇何も言えない
◇その猫は鬼の膝がお好き
◇豊島一族
◇鬼は不在時でも艦娘らを泣かす
◇その愛は

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