作者:七竹真
1度目の人生で、彼女は敗北を重ねた。2度目の人生で彼女は勝者になるために、頂を目指し走り始める。勝てなかった勝負に勝つために。
とある年の東海ダービー。オグリキャップの中央行きから早5カ月。そのウマ娘は圧倒的な大逃げでダート1,900米を制した。
彼女が見る先にあるのは頂の景色のみ。彼女が好敵手として認めるものがいるのは中央のみ。
天才との戦いで受けた敗北を糧に彼女は立ち上がる。
そのウマ娘の名は、『フジマサマーチ』!!
とある年の函館記念。彼女は1年ぶりに北の大地で復活を遂げる。そのウマ娘の追い上げは一種の芸術だった。
彼女の走りは新たなチームの産声となる。彼女の走りは強者への挑戦状となる。
最強ではなく最弱としてのスタートは彼女を変える一陣の風となる。
そのウマ娘の名は、『メリービューティー』!!
とある年の京成杯。彼女唯一の敗北だったはずの歴史を覆した。そのウマ娘の情熱的な走りは人々を魅了させる。
彼女が巻き起こすビッグウェーブは見るものすべてが熱狂する。その荒波は止むことを知らない。
長く走りたい、その思いが伝わるのか否か。
そのウマ娘の名は、『クイーンカアフマヌ』!!
とある年の天皇賞(春)。銀色にしか輝けなかった彼女の走りが金色に変わる。ようやくつかみ取った阿寒湖以来の勝利。
黄金に光る勝負服で彼女はその名を歴史に刻み込んだ。金色に輝く盾と共に。
戦う前にケガをした好敵手にその勝利を捧げよう。
二度と銀色にさび付かないという意思が彼女の走りを強くする。
そのウマ娘の名は、『キンイロリョテイ』!!
とある年のCBC賞。バンブーメモリー1強の戦いとすら言われたそのレース。彼女は運を片手にその道を突き進む。
彼女の手元にあるのは白・發・中の牌。その豪運は、彼女を後押しする最高のステータスとなった。
豪運こそ彼女の実力、もうただの雀士とは言わせない。
そのウマ娘の名は、『ダイサンゲン』!!
とある年のアルゼンチン共和国杯。ダービーで6バ身離されたライバルの後を追うように、菊を制した後輩に自らの実力を示すように、そのウマ娘は雨の中を走った。
隠れた太陽、だが太陽を隠すのは雲だけではない、月も太陽の光を隠し、赤銅色に輝くのだと。
渇きに渇いた紅い瞳は勝利を望む。悔し涙より、嬉し涙だと。
そのウマ娘の名は『ルナスワロー』!!
~目次~
◇第1R 敗北者の再出発
◇第2R 勤勉なる踊子
◇第3R 学び舎
◇第4R 頂点とは
◇第5R レースを制せよ
◇第6R 野望
◇第7R 頂点の走り
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