「再会!」
────もにゅん。
「フィオさん、よくぞ、よくぞご無事でした!」
聖女が喜びの声を上げ。たわわに実った胸部が、ムニムニとオレの顔に押し当てられ。
────ないすおっぱい!
「・・・ぐすっ。フィオさんの背中がポッキリした時から、気が気じゃ無かったんですよぉ・・・。よく無事で、本当に、フィオさーん!」
昼を過ぎ、アジトでやっと王都に辿り着いた仲間達と感動の再会を果たしたオレは。目を赤く腫らしたユリィに抱き締められ、素晴らしい程百合百合していた。
────おっぱい万歳!
「おいルート、見ろよフィオのあの顔。全力で仲間の乳を堪能してやがるぞあのゲスロリ。」
「・・・僕の心配も返して欲しいもんだ。」
ごちゃごちゃと、この予想外な再会イベントを妬む男連中の声が心地よい。
揺れる。波打つ。ユリィの乳袋で隠れているオレの顔には幸せが詰まっていた。この感触、もう2度と失いたくない。
「おいユリィ。フィオをそれ以上喜ばせる必要は無いぜ。そろそろ離してやれ。」
「え、あ、そうですか?」
ところが、サービスタイム終了! とでも言わんばかりにあっさりとユリィは離れていってしまう。オレは豊満な感触を失い、胸にポッカリと穴が出来たような寂しさを覚えた。
ぐぬぬ、そんなにオレの幸せが憎いかバーディ。
「バーディこの野郎、余計な事を言ってんじゃねぇぞ! ・・・そもそもテメェはきちんとオレを護りやがれ。回復術士を一人放置とかおかしいだろ、前衛の仕事しろコラ。」
「奇襲に対応するので手一杯だったっつーの。お前こそ一瞬でやられてんじゃねーぞ糞雑魚ナメクジ。俺んとこまで逃げて来られなかった癖に。」
「「あぁん!?」」
「け、喧嘩は良くないですよ!?」
「ああ、これは無視して良いよユリィ。この2人は、いつもこんな感じだ。」
久しぶりのバーディなので、取り敢えず煽っておく。うん、コイツとはこう言う距離感で良いのだ。
「で、ユリィも心配してくれたみたいで、ありがとな。」
「いえ。・・・フィオさんも、大事な友達ですから。」
「お、おうそっか。たはは、照れるな。」
ユリィの暖かな笑顔に癒される。本当、この娘は性格良いんだよなぁ。アルトさえ絡まなければ。
同じハーレム勢でも、レイみたいなオレと並び称されているド畜生はこの娘の爪の垢を煎じて飲んで欲しいものだ。
「ところでユリィ。お前はオレに抱き付いてくれてるけどさ、愛しのアルト様のとこに行かなくて良いの?」
「良いんですよ。私が心配してたのは、フィオさんなんですから。」
「ユ、ユリィ!」
本当に、なんて良い娘なんだ! アルトハーレムの一員だって言うのに、負傷した仲間を優先的に気遣えるなんて中々出来ることじゃない。
アルトは4人の中でユリィを選んておけば、もっと幸せになったんじゃねぇかな。マジで。
・・・オレ1人抜け駆けしちまった今の状況は、かなり心が痛いぞ。うん、奴が隠れてユリィと浮気していることを祈ろう。奴はかなり腹黒だし十分有り得そう。
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