ハーメルン
GATE 大日本帝国 彼の地にて、斯く戦えり
門の向こうへ

ピニャ達は、ようやくアルヌスの丘の頂上付近に着くと四方八方を深い堀に囲まれその奥には報復兵器 V1飛行爆弾「桜花」とV2ロケット「鳳凰」発射施設があり、その中央に建設された北海道函館にある五稜郭の様な建築物の傍に特地派遣軍総司令部の看板が立てられ更に日章旗と旭日旗の旗が掲げられていた。

「着きましたよー」

「イ イタミ殿!わ 妾と二人きりで話はできまいか?」

「あ〜スミマセン まだ用事がありますので・・・あの士官が案内してくれますから」

と言って伊丹は乗用車に乗る。

(ちょっと面かせやとしか聞こえんぜ)

「殿下?」

「説得の機会を逃した・・・」

ピニャとボーゼスは士官に応接室に案内された。

「これは・・・蟲甲か?」

「だとすれば 名高い匠の手による物かと」

「門はどこだ?」

「あのドームの中では・・・」

と外を見ていると今村司令官がやって来た。

「お待たせしました」

(この地味な服の男がニホン軍を率いる長か・・・?)

今村司令官が挨拶をしてそれをレレイがピニャに向き直り通訳する。

「レレイさん 帰ってすぐすまない」

「大丈夫」

双方はテーブルを挟んで向かい合った。

「こちらはニホン軍のイマムラ将軍。こちらが帝国皇女ピニャ・コ・ラーダと騎士ボーゼス ニホン語の尊称は・・・」

「殿下でいい思う こちらの言葉では?」

「女性には『francea』が適切」

「どうぞ おかけ下さい 殿下 ボーゼスさん 殿下自ら 突然のおこしとはどういう用件で!?」

「・・・実は協定に関して我が方に不始末があり そのお詫びにとまかりこしました」

「報告は伺っております。帝国との仲介をしてくださる 殿下を煩わすようでしたら 協定の扱いを考え直す必要もありますかね」

考え直す!?

「いや それはー」

協定が守られねばイタリカに侵攻するということか!?

とピニャは内心焦っていた。そんな時

「ー伊丹と大場大尉から聞きましたよ そちらのご婦人に手ひどくあしらわれたとか」

と柳田が憎たらしい笑いで水を差す。ピニャとボーゼス双方が焦り出す。
ああ 結局知られてしまった・・・

「あのアザとひっかき傷 笑っちゃいましたよ どう見ても痴話ゲンカだ」

やはりイタリカにいる間に口を封じるべきであった・・・

ピニャとボーゼスは下を向いてブルブル震えていた。

「柳田中尉」

「あっと失敬 自己紹介をしてませんでしたね。自分は柳田と申します。以後お見知りおきを」

(名を覚えておけだと?)

(イマムラ将軍よりえらそうですよ)

一方
アルヌス基地に着いた第三偵察隊と第一偵察隊は戦闘で余った銃弾を弾薬庫に返納し、銃の手入れをし武器庫に収め、車両にこびりついた泥を落としてから夕食になった。

兵舎の食堂
「なんとか晩飯間に合ったー」

「二日徹夜はきついわー」

「武器弾薬の返納と車輌の洗浄とかで結局昼抜きやったもんな 栗林と船坂二人の突撃銃 廃銃やってさ銃身曲がっとったって」

[9]前話 [1]次 最初 最後 [5]目次 [3]栞
現在:1/4

[6]トップ/[8]マイページ
小説検索/ランキング
利用規約/FAQ/運営情報
取扱説明書/プライバシーポリシー
※下部メニューはPC版へのリンク
携帯アクセス解析