テュカとコダ村
連合諸王国軍との戦闘が終わり日本軍は特地での調査を本格的に開始する。その調査を任されたのが第三偵察隊隊長の伊丹中尉と第一偵察隊隊長の大場大尉だった。
「それじゃあ、出発しよう伊丹中尉」
「はい大場大尉」
伊丹と大場が乗る車両は九五式小型乗用車とキューベルワーゲンTyp82と九四式六輪自動貨車と九三式装甲自動車とSd Kfz250だった。中にはドイツ製やアメリカ製の車両も混ざっている。
「よし 、全員乗ったな 全員乗りました大尉」
全員乗ったのを確認し大場に合図する。
「了解」
と大場が言うと出発する。第三偵察隊に続き第一偵察隊を出発する。
「そーらが蒼いねぁ さーすが異世界」
日本には見られない大陸の大空に伊丹が呟く。周りを見渡せば電柱と電線も通っておらず前から後ろまでずっと空と地だった。
「こんなの北海道や樺太にもありますよ。俺はもっとファンタジーな光景想像してたのにこれまで通ってきた村人間ばっかばし中世のヨーロッパそっくり」
倉田が運転しながら突っ込んだ。
「ま 異世界ってだけでファンタジーだろ?」
「なんか ガッカリです」
「おい 倉田 この先に小川で右折して川沿いに進め しばらく行ったら森が見えてくる そこがコダ村の村長が言ってた森だ」
「了解 おやっさん」
目的地のコダ村と言う村に着いた最初は得体の知れない日本兵を村人は警戒したが銀座事件で捉えた捕虜から特地語を学んだ為ある程度は理解できた。
「伊丹中尉 意見具申します 森の手前で一旦野営しましょう」
「うん 賛成」
「あれー中尉 一気に乗り込まないですか?」
「今 森に入ったら夜になっちゃうでしょ?何がいるかわかんないのよ?村があるのならそこの人威圧して どーすんの俺たち国民に愛される軍隊だよ?俺たちの任務は現地の人と交流して情報収集すること ハーツ&マインドでしょ?」
「ハァ」
「えーと サヴァール ハル ウグルゥー?」
「棒読みですねぇ 陸軍諜報部に通った方がよくないですか?」
「うるせぇ!」
と伊丹は倉田の頭にゲンコツを食らわす。すると前方の森から煙が上がっているそこは伊丹達が向かう筈だった森だ。
「燃えてるねぇ」
「燃えてますねぇ 大自然の脅威?」
「山火事でしょうか?」
「といより怪獣映画だろ?」
「?」
「ありゃりゃ!」
「伊丹中尉 どうしますか?」
「あの 炎龍さぁ 何もない森を焼き討ちする習性あると思う?」
「炎龍の習性に関心がおありでしたら 中尉自身が見に行かれては?」
「栗林くん 俺一人じゃ 怖いからさぁ ついて来てくれる?」
「お断りします」
「・・・あ そう じゃ 適当な所に隠れて様子見ようか 炎龍いなくなったら森に入ってみよ 第一偵察隊にも伝えてくれ」
暫くして、第三偵察隊と第一偵察隊が集落に到着する頃には日もある程度治まり、灰色の雲を覆っていた。
「これで 生存者がいたら奇跡だよ」
「まだ地面が温かい・・・」
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