GO GO! れめでぃおす
◇
カストディオ家では長女レメディオスの聖騎士団入団を祝って母親がご馳走を作っていた。それをそっと見守る妹ケラルト……
「姉様、姉様。今日のおやつのドーナツ、私の分も差し上げるわ」
「わーい。ありがとうケラルト。こんなに食べれてうれしいな」
そしてその晩──
「どうしたのレメディオス? 貴女の入団祝いのご馳走なのに……ほとんど手をつけていないわね」
(……うーん……こんな事ならドーナツ食べ過ぎなければ良かった……)
◇
「お母様、このおやつのケーキ、お姉様の分も持っていってあげますわ」
「ありがとうケラルト」
ケラルトはレメディオスの部屋に行って告げた。
「姉様。今日のおやつは宿題が終わってからでないとあげません、とお母様がおっしゃっていたわ」
「わかった。頑張る」
レメディオスは一生懸命勉強に励んだ。ケラルトは自分の部屋に行くとケーキを二つ共食べてしまった。
「ようやく宿題が終わった! ケラルト、私のケーキは?」
「姉様、もうじき夕食の時間よ。おやつは夕食の後ね」
「うん。わかったよ」
夕食を腹一杯食べたレメディオスはすっかりケーキの事を忘れてしまった。
◇
「ねえケラルト? 私のおやつ知らない?」
「姉様のおやつなら私が食べてしまいましたわ」
「えー? ひどいよケラルト」
「言っておくけど何も私が食べたいから姉様のおやつを食べた訳ではないの。全ては姉様の為よ。私が魔法で姉様を守る為にはとてもカロリーが必要なの。だから仕方なく姉様の分もおやつを食べたのよ」
「そっか。ケラルトありがとう」
◇
カストディオ姉妹は母親にねだってそれぞれ小鳥を買ってもらい飼い始めた。
ケラルトの小鳥は綺麗な声でさえずるようになり、評判となった。
レメディオスの鳥籠はいつしか空っぽになっていた。街の皆はわざと小鳥を逃がして自由にさせたのだろうと感心した。
「ケラルト。今度はもっと丸々とした小鳥が良いな。この前のは全然肉がついてなかったからな」
◇
「ケラルト、ケラルト。どうして私にはチンチンが無いのかな?」
「え? そんなの姉様が女だからに決まってるでしょ? なんでそんな事聞くの?」
レメディオスは腕を組む。
「聖騎士団って男ばかりなんだよね。だから私も男だったらなぁ、って」
突然レメディオスが手を叩いた。
「そうだ! 良いこと思いついた! ケラルトの魔法でチン──」
「──出来ません!」
◇
最近レメディオスは剣の練習に没頭していた。
「姉様、最近はずいぶん熱心に剣の練習をしているわね? 何かあったの?」
「うん。もうじきクリスマスだからね」
「……それがどうしたの?」
レメディオスは剣を納めると爽やかな顔で言った。
「サンタクロースを捕まえてプレゼントを独り占めにするんだ」
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