ハーメルン
異世界で 上前はねて 生きていく (詠み人知らず)
第14話 落語とは 相性悪い パスタかな
「「「おおおーっ!!」」」
一呼吸でそう言い切ったロースさんに、周りの観客から万雷の拍手が送られた。
「はぁ……はぁ……水……」
「あいよっ」
ピクルスさんから受け取った水を飲み干したロースさんは、改めて芝居を再開した。
「しかしおめぇ、麺はともかく燻製肉が入ってないじゃないの。あれがなきゃペペロンチーノは
かたなし
(
・・・・
)
だぜ」
「お客さん、イチャモンつけちゃこまるよぅ、ちゃあんと入ってっぺ」
「どこだ?ん?これか!ああ、これ葉っぱの模様じゃなかったのか!
薄く切ったなぁ、芸術だなこりゃ」
「照れるよ」
お客さん達から『ピクルスちゃーん』と声が上がっている。
「いや褒めちゃねぇよ、うーん、もうおあいそしてくんな」
「へぇ、9ディルで」
「今細かいのしかないから手ぇ出してくんな」
「へい」
「いくぜ、ひぃ、ふぅ、みぃ、よぉ、いつ、むぅ、今
何時
(
なんどき
)
でぇ?」
「へぇ、よっつ」
「いつ、むぅ、なな、やぁ……」
そのオチで、観客達から今回一番の笑いと拍手が起こり、私達はピクルスちゃんとロースさんの周りに並んでお客さんに向けて礼をした。
するともう一度大きな拍手が起こり、私と交代で調理についたハントの元にペペロンチーノを求めるお客さんの列が出来上がる。
オチがわからなかったお客さんには、他のお客さんが教えてあげてる。
朝からずっとここにいる人もいるなぁ。
楽しいけど、一時間に一回やるのは正直骨です……
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